政治をテクノロジーでDXするスタートアップ5選

この記事では、6月20日週に資金調達が報道されたユニコーン(企業評価額10億ドル以上の未公開企業)3社を評価額順に紹介します。
第一位は、スマートフォンによる決済端末機能を有するSumUp(企業評価額 85億ドル)です。同社のサービスは、Square(アメリカ)、Tiller (フランス)、Payleven(ドイツ)、Goodtill(イギリス)など類似サービスが多いため、各社は機能拡充を行うことで差別化を試みています。同社は、POS決済以外にも、ビジネスバンキング、オンライン決済などのサービスを拡充しており、ネオバンクの大手になるポテンシャルを秘めています(ネオバンクについては、デジタルバンクに関する業界レポートもご参照ください)。
設立期:
2012年
本社:
イギリス
企業評価額:
85億ドル
今回調達額:
6.24億ドル(企業評価額の7%)
参加投資家:
Bain Capital Tech Opportunities, BlackRock, btov Partners, Centerbridge, Crestline, Fin Capital, Sentinel Dome Partners
約400万の中小企業が同社のスマートフォンによる決済端末機能を利用。
日本では、大手企業を中心に据置型決済端末が使われていますが、キャッシュレス決済の普及に伴い、リクルートの「Air PAY」、スマレジの「スマレジ PAYGATE」、ヘイの「STORES決済」などのスマホ決済端末を導入する中小企業が増えています。
ヘイ株式会社は、オンラインストア開設サービスの「STORES」、キャッシュレス決済の「STORESターミナル」をはじめとし、商売のデジタル化を支援する「STORES デジタルストアプラットフォーム」を展開する企業。コイニー社とストアーズ・ドット・ジェーピー社の経営統合により生まれた新会社。 個人や小さなチームによる 「たのしみ」 のための経済がこれからの社会をリードしていくと信じ、「Just for Fun」という合言葉のもと、活動をエンパワーメントするサービスを提供する。
同率第一位は、HRクラウドシステムのPersonio(企業評価額 85億ドル)です。SumUp同様、競合がひしめく領域であり、中小企業に特化している会社だとWorkday(アメリカ)やServiceNow(アメリカ)が挙げられます。5月9日週の特集記事では、RipplingとGustoの資金調達を紹介しました。同社にとって追い風なのは、在宅勤務と出社の併用を行う企業が増えており、人事業務が一層複雑化していることです。同社は、他システムとの連携を強化することで、タスク管理、承認プロセス、電子署名などのワークフローの自動化に取り組んでいます。今回の企業評価額は一見すると大きいですが、CEOのHanno Renner氏は「昨年10月の資金調達以来、収益を2倍に伸ばしたが、評価額は30%しか上がっていない」と述べており(※1)、株式市場の調整の影響を受けたことを示唆しています。
設立期:
2015年
本社:
ドイツ
企業評価額:
85億ドル
今回調達額:
2億ドル(企業評価額の2%)
参加投資家:
Greenoaks, Capital Partners
中小企業向けの採用、給与計算、人材管理、育成、ワークフローの自動化のためのクラウドシステムを運営。6,000社の50万人の従業員を支援している。
日本では、以前挙げたSmart HRに加え、51億円の資金調達を行ったjinjerやDonutsなども類似として挙げられます。
株式会社SmartHRは、SaaS(ソフトウェア・アズ・ア・サービス)形式で提供する人事労務ソフト『SmartHR』の企業。 『SmartHR』は、従業員の入退社や社会保険、雇用保険の手続きを効率化するソフトをクラウドで提供する。人事情報も一元管理でき、年末調整や給与明細の発行、退職・住所変更手続きなど、労務管理業務をWeb 上でできる。 人事労務の効率化に加え、経営層や人事、経理担当者の社内業務やコミュニケーションを円滑にするサービスも拡充している。子会社のSmartMeetingでは、会議の効率化ツールを提供。企業向け採用支援システムの子会社Looperも設立している。
jinjer株式会社は、バックオフィス向けクラウドサービス『ジンジャー』を提供している企業。 『ジンジャー』は、人事管理・勤怠管理・給与計算・経費精算・電子契約・Web会議などの機能を備え、バックオフィス業務の効率化を行う。 また同社では、給料日前に給与を受け取り可能にする福利厚生サービス『ジンジャー給与前払い』の提供も行う。 そのほか同社では、人事向けメディア『HR NOTE』、SaaS・クラウド比較サイト『Torteo』を運営する。
株式会社Donuts は、SaaS、ゲーム、メディア、医療の IT 分野の4領域においてサービス提供に取り組む企業。 バックオフィス業務を効率化する国内最大規模の SaaS『ジョブカン』を提供。 バックオフィス業務をクラウドで一元管理できる『ジョブカン』は、勤怠管理をはじめ、経費精算、ワークフロー、採用管理、労務管理、給与計算などのシリーズを展開している。 また、『ブラックスター -Theater Starless-』や、『艦つく -Warship Craft-』などのスマートフォン向け人気ゲームアプリも多数手がける。 そのほか、クリニック向けのクラウド型電子カルテ『CLIUS(クリアス)』の提供や、ライブ配信サービス『MixChannel(ミックスチャンネル)』も運営。
第三位は、NFTマーケットプレイスのMagic Eden(企業評価額 16億ドル)です。同社はLaunchpadというNFTマーケットプレイスを運営しており、Launchpadでは芸術作品を中心としたNFTの取引がなされています。同社の企業価値が高い理由は、SolanaのNFT取引市場の約97%を占めていることが大きいです。Solanaは仮想通貨の時価総額順で9位となっており、主要仮想通貨の仲間入りをしています。驚くべきことに、Solanaの価値は年初来で75%程度減少しているにも関わらず、SolanaのNFT取引における月間アクティブユーザーと取引量の増加が過去3か月間続いていることです。
設立期:
2021年
本社:
アメリカ
企業評価額:
16億ドル
今回調達額:
1.3億ドル(企業評価額の8%)
参加投資家:
Electric Capital, Greylock Partners,Lightspeed Venture Partners, Paradigm, Sequoia Capital
SolanaのNFT取引市場を運営。
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