XerpaAI、UFLY主導で約9.5億円調達──Web3・AI企業向けグローバル展開に本格着手

XerpaAI、UFLY主導で約9.5億円調達──Web3・AI企業向けグローバル展開に本格着手

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スタートアップ向けの成長支援プラットフォーム「XerpaAI」を展開するXerpaAI株式会社が、2025年7月にシードラウンドで約600万ドル(約9.5億円)の資金調達を実施した。リードインベスターはベンチャーキャピタルUFLY Capitalで、同社は今回の資金を活用し、日米を中心としたグローバル市場での事業拡大およびプロダクト機能の強化を進める計画である。

XerpaAIは2025年設立。主力サービスである「XerpaAI」は、AI技術とインフルエンサーネットワークを組み合わせた成長支援プラットフォームで、スタートアップや新技術分野の企業を対象としている。東京のほか、シンガポールや米国シリコンバレーにも拠点を持つ。

サービスの中核は三つの機能から成る。一つ目は、AIによるマーケティング用コンテンツの自動生成で、テキストや画像、動画の素材を効率的に作成できる点が特徴である。二つ目は、数万規模のKOL(Key Opinion Leader)やKOC(Key Opinion Consumer)、インフルエンサーとAIをマッチングさせ、最適な配信チャネルを自動構築する分散型の配信ネットワークの提供である。三つ目は、配信結果などのデータを分析し、プロモーションや成長施策の改善を定量的かつ継続的に行う分析ツール群である。

「XerpaAI」というサービス名は、エベレスト登頂を支えるガイド「シェルパ」に由来する。特にWeb3領域やAIスタートアップを主な顧客としており、顧客構成はブロックチェーン/Web3関連が約8割、AI分野が2割を占める。導入企業は日本と米国、シンガポールなどアジアにも広がりを見せている。

代表は連続起業家としてグローバルプロジェクトの成長戦略やユーザー基盤構築に携わった経験を持つ。これまで複数のスタートアップで成長支援構造の未整備やマーケティングコストの非効率性を実感し、AIによる効率化と分散型ネットワークの活用可能性を見出したという。設立の背景には、成長コストの最適化や、新興技術分野における市場教育への対応、データドリブンなマーケティングの再現性・標準化を目指す意図がある。なお、創業者はUFLY CapitalのLP(有限責任組合員)でもあり、資本と経営の両面で関与している。

業界背景として、米国のテックスタートアップ業界では年間1兆ドル規模の資金がマーケティングや成長支援分野に投下されているが、非効率や属人的な運用が依然として多く残っている。特に新技術領域では、単純な広告よりもコミュニティやKOLなどソーシャルの影響力が高まる傾向がある。米国ではAppLovin(2024年時点で時価総額約1200億ドル)などがモバイル成長インフラとして存在感を示しているが、AI時代の成長基盤となるサービスはまだ発展途上である。

今回の資金調達はUFLY Capitalがリードし、既に全額が着金している。資金の使途は、プロダクトの機能強化やAPI拡充、グローバルなセールス体制・マーケティング・ファイナンスオペレーションの増強、日本・米国を軸とした市場展開、将来的なプライベートラウンドやIPOの基盤整備などに充てられる予定である。

XerpaAIはWeb3ソーシャルインフラ「UXLINK」とのシステム連携や取引関係も深く、エコシステム内の成長支援アプリケーションとして機能していると説明している。

組織強化、東南アジアなどでの現地パートナーとの提携、コンプライアンス体制の整備なども進められる。グローバル展開と技術開発を同時に進める中、成長支援インフラの標準化や再現性の確保が今後の進捗に直結することが想定される。

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