衛星データで不動産業を変える──5.5億円調達のPenetrator、次は海外市場に挑む

衛星データで不動産業を変える──5.5億円調達のPenetrator、次は海外市場に挑む

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衛星データ活用の株式会社Penetratorは、シリーズAラウンドにおいて総額5.5億円の資金調達を実施した。出資には、スパークス・アセット・マネジメント、みずほキャピタル、スカパーJSAT、SMBCベンチャーキャピタル、りそなキャピタル、Great Wave Venturesが参加している。

同社は、衛星データとAIを活用して不動産取引を支援するSaaS「WHERE」を開発・提供する、JAXA発スタートアップだ。WHEREは、2023年6月にβ版、2024年9月に正式版をリリースした。すでに三菱地所や三井不動産といった大手ディベロッパーへの導入実績を有し、リリースから9カ月で単月売上1億円を突破するなど急速に成長している。

WHEREは、土地所有者の情報や建物の用途・築年数などを地図上で可視化し、再開発に適した候補地を自動でレコメンドするSaaSだ。過去の取引事例に基づいた価格シミュレーション機能も備えており、物件の将来性を定量的に評価できる。これにより、これまで現地調査や人脈に頼っていた「物上げ(物件情報の取得)」業務を、衛星データや地理空間データを活用して効率化・高度化することが可能となる。企画や戦略立案の初期段階から、対象エリアの開発ポテンシャルを直感的に把握できる点も大きな特徴だ。

代表の阿久津 岳生氏は新卒で不動産セールスとしてキャリアをスタート。その後、自ら不動産仲介および注文住宅の建築会社「福岡工務店」を立ち上げ、経営に携わった。九州大学大学院およびJAXA宇宙科学研究所での学びを経て、2022年2月にPenetratorを設立。不動産実務と宇宙科学の両方の知見を融合させ、衛星データを活用した不動産領域の課題解決に取り組んでいる。

不動産業界では、約12万社の宅地建物取引業者が存在し、業務の非効率さが課題となっている。加えて、コロナ禍以降の法改正により、対面を前提とした取引手続きからリモート化が進む中、デジタル活用へのニーズは急速に高まっている。

今回の資金調達により、営業体制の拡充、新たなデータ基盤構築、海外展開に向けたPoC(実証実験)などを進めていく計画だ。また、WHEREは災害時の復旧支援や空き家問題、地方創生など幅広い社会課題への応用も視野に入れている。

今後も、衛星データを軸にした不動産市場の変革を進めるとともに、グローバル展開を通じて新たなビジネス機会の創出を目指す方針だ。

画像はPenetrator プレスリリースより

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