株式会社mairu tech

医療・福祉搬送を手がける株式会社mairu techは、救急医療のDXを推進するTXP Medical株式会社との事業提携を発表した。
医療・福祉搬送業界では、自治体の消防機関が運営する救急車が転院搬送に使われることで、本来の緊急時対応である救急業務に支障をきたしていることが問題となっている。転院搬送は全救急出動の約9%を占め、その件数は年々増加傾向にある。この課題に対応するため、病院所有の救急車や民間の患者搬送サービスなど、自治体の救急車以外の代替手段の活用が注目されている。
しかし、民間の医療・福祉搬送は活用が期待されている一方で、多くの課題を抱えている。搬送事業者のほとんどが個人事業主であるため、統一的な搬送規格や予約システムが存在していない。mairu techの調査によれば、病院での転院に伴う搬送予約を担当する病院職員は個別の事業者に電話をかけて予約するしかなく、1件あたりの予約には平均30分超の時間がかかる場合もあるという。
mairu techは、非緊急の医療・福祉搬送に特化した予約・配車システム「mairuシステム」と、医療資格を持つクルーによる搬送サービス「mairuモビリティ」を提供している。病院や福祉施設の職員がWeb上で車両を簡単に予約でき、予約内容を一元管理することで、従来の電話連絡による手間を省いている。また、全車両で統一された料金制度を採用し、安心して利用できる高品質なサービスを提供している。
一方、TXP Medicalは、急性期医療データプラットフォーム「NEXT Stageシリーズ」を開発・提供しており、その中の1つ「NEXT Stage CONNECT」は、医療機関間の転院時に生じる電話による情報伝達の非効率や課題を解決するための転院判断に必要な情報の統合プラットフォームである。このシステムは、電子カルテの情報をOCRで読み取り、紹介状の自動作成や患者情報のデジタル共有を可能にし、医療従事者の業務負担を軽減する。
今回の提携により、「NEXT Stage CONNECT」と「mairuシステム/モビリティ」が連携し、転院調整から搬送予約までの一連の作業を効率化する。これにより、医療従事者の業務負担軽減と、患者への円滑な医療・福祉サービス提供が期待される。2025年4月から連携機能の開発を開始し、同年秋頃にベータ版の提供を予定している。
画像はmairu tech HPより