観葉植物EC運営のDomuz、3億円の資金調達で花き産業のDXプラットフォーム構想を推進

観葉植物EC運営のDomuz、3億円の資金調達で花き産業のDXプラットフォーム構想を推進

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KEPPLE編集部

目次

  1. 観葉植物ECを軸に事業拡大
  2. 観葉植物好きが見た、花き産業の課題
  3. 目指すは花き産業のDX、EC軸に事業拡大

観葉植物と花のEC「AND PLANTS(以下:アンドプランツ)」を運営するDomuzが総額3億円の資金調達実施を明らかにした。

本ラウンドの引受先はギフティ、千葉道場ファンド、New Commerce Ventures、Value Chain Innovation Fund、ブルーインキュベーション(西武ホールディングスの連結子会社)、FFGベンチャービジネスパートナーズ、POLA ORBIS CAPITAL、個人投資家の猿渡氏(アンカー・ジャパン代表取締役CEO)。

2023年3月には千葉道場ファンド、New Commerce Venturesなどを引受先とした1億円の資金調達を実施。今回の調達資金は既存事業のサービス改善や新サービスの拡大に充当する。

観葉植物ECを軸に事業拡大

アンドプランツは観葉植物や生花、ドライフラワーなどを販売する通販サイト。サービス上で用途やサイズ、植物の置き場所など最大10の質問に答えると、それぞれのライフスタイルに合わせた植物が提案される「パーソナル植物診断機能」が特徴だ。植物を取り入れてみたいが何が良いか分からない初心者などの植物購入時の悩みを解決する。

アンドプランツの画面
アンドプランツの画面

発送前に自分の好みの樹形を実物写真から選択できる有料オプションも用意する。個体差がある植物を、実店舗で選ぶのと同じように見比べて購入することができる。

アンドプランツは2021年5月からサービス提供を開始した。各種SNSで累計17万人のフォロワーを持つ。2024年3月にはパーソナル植物診断機能の累計利用者数8万人を達成した。2024年4月時点での発送点数は3万5000点に上る。また、昨年11月には、生花や観葉植物を販売する事業者向けの卸マーケットプレイス「ハナイチ」をα版として運営開始した。

今回の資金調達に際して、代表取締役社長 髙木 弘貴氏に、今後の展望などについて詳しく話を伺った。

観葉植物好きが見た、花き産業の課題

―― アンドプランツ事業開始のきっかけは?

髙木氏:Domuzでは元々プログラミングスクールの口コミサイトの運営をしていました。その事業を売却した後に立ち上げたのがアンドプランツです

私は以前から自室にたくさんの観葉植物を置き、海外から輸入もするほど観葉植物が大好きです。家具のように置かれていても、秋になれば紅葉して春には新芽が出るように、季節ごとに動きがあるのが大変魅力的に感じるんです。

それからコロナ禍になり、自宅でより良い時間を過ごすために観葉植物を買う人が増えた結果、知り合いから観葉植物の選び方や育て方に関する相談を受けることが多くなりました。「観葉植物は買おうと思えばすぐに買えるにもかかわらず、なぜこれほど連絡が来るんだろう」と思っていたのですが、ライフスタイルに合った観葉植物を選ぶハードルが高いということに気づいたのです。そこでアンドプランツの構想に至りました。

最大10の質問からおすすめの植物を提案する「パーソナル植物診断機能」
最大10の質問からおすすめの植物を提案する「パーソナル植物診断機能」
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―― 観葉植物をインターネットで購入する人は多いのでしょうか?

お花を飾るなどのニーズは以前からあり、花き産業(観葉植物や花)の国内消費は1.1兆円と巨大なマーケットです。観葉植物の需要はコロナ禍に急伸しました。

一方で、1.1兆円の国内市場のうちEC化率はわずか3.8%と言われています。花き産業のEC化率において中国は20%、アメリカは18%であるのと比べるとかなり低い状態です。国内物販のEC化率は約9%であることを考えると、今後花き産業のEC化率にはまだまだ成長の余地があります。

今後国内のEC化率が高まる中で、花や植物のEC化率も伸びていくはずです。既に存在する1.1兆円の国内消費の中でEC化率が1%高まれば、単純計算で110億円がECに流れ込みます。これをアンドプランツで取りに行こうとしているのです。

―― 昨年から事業者の仕入れを支援するサービスも開始しました。

アンドプランツの事業を進める中で、花き産業における仕入れや流通構造の課題について知る機会が多くありました。それを解決するために立ち上げたのがハナイチです。

通常、消費者の手に届く植物は生産農家から市場に運ばれ、場内の仲卸業者が小分けにしたうえで小売店向けに販売されます。小売店は市場で買い付けを行いますが、わざわざ市場まで足を運ばなければいけないうえ、5本単位など少量での注文はできないことがほとんどです。

小売店はハナイチのサイト上で資材や植物を注文することで、市場まで足を運ばずに注文できるようになりますし、小規模のお花屋さんでもご利用いただけるよう小ロットの注文にも対応しています。また、我々にはアンドプランツ事業を通じて培ったSNSでの情報発信に強みがある。事業者向けに植物が売れ残ってしまったとしても、SNSを活用したアンドプランツでのセール施策などにより販売することで、ロスの少ない効率的な運営が可能になるのです。

目指すは花き産業のDX、EC軸に事業拡大

―― 資金調達の背景や使途について教えてください。

主にはハナイチの立ち上げ費用と、アンドプランツの黒字化に向けた資金として調達しました。アンドプランツはこれまで、デジタルマーケティングによって顧客を獲得していましたが、事業者の顧客獲得にはまったく別の営業体制が必要となります。これまでパートタイムを含めて約40名で事業を運営してきました。今後はハナイチ事業をグロースする新規事業開発領域の人材を中心に採用を進める予定です。

―― 今後の長期的な展望を教えてください。

現在ハナイチで取り組んでいるのは小売店の仕入れに関する課題解決です。小売店の課題を解決したその先には、売上アップに向けた取り組みが必要になります。今後の大きな事業構想として「DXプラットフォーム構想」を掲げ、花き産業の中で複数の新規事業を仕込んでいきたいと思っています。

観葉植物や花は、老若男女問わず誰が貰っても楽しめるものです。我々はこの事業を通してマーケット全体の変革を目指し、より大きく魅力的な事業を育てていきたいと考えています。今後は事業会社からの調達や協業も積極的に進めていきたいと思いますので、ご関心いただける企業はぜひお声がけいただけると嬉しいです。

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