エネルギー取引マーケットプレイスのenechain、シリーズB追加で50.5億円調達──電力市場の変革を加速

エネルギー取引マーケットプレイスのenechain、シリーズB追加で50.5億円調達──電力市場の変革を加速

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電力や燃料、環境価値などエネルギー取引のデジタルマーケットプレイスを展開する株式会社enechainは、Coreline Ventures、DCMベンチャーズ、Minerva Growth Partners、JPインベストメント、Soros Capital Management(米国)、みずほキャピタル、三菱UFJキャピタルを引受先とした第三者割当増資、ならびに複数の金融機関による追加の長期借入(リファイナンス含む)によって、シリーズB追加ラウンドで総額50.5億円を調達した。

enechainは、エネルギー取引プラットフォームを運営するスタートアップであり、電力・ガス自由化市場において、生産者・小売・消費者向けにヘッジ取引機会を提供している。発電所や環境価値の取引基盤をはじめ、卸電力取引プラットフォーム「eSquare Live」、清算・リスク管理サービス「eClear」などを展開する。

eSquare Liveは、発電事業者、電力小売事業者、トレーダーが、現物から先物までの卸電力商品をオンライン上でリアルタイムかつ自動で約定できるマーケットプレイスだ。一方、eClearは子会社の株式会社eClearと金融機関・保険会社との協業により提供され、卸電力取引におけるカウンターパーティの与信リスクを低減。信用不安や連鎖倒産を防ぎ、電力マーケット全体の信頼性向上に寄与している。

再生可能エネルギー需要の拡大や小売事業者のリスク管理ニーズを背景に、日本の電力卸取引市場は拡大しており、例えば日本卸電力取引所(JEPX)のスポット市場での電力取引量は、電力需要全体の40%を占めるまでになっている(2023年9月時点 / 経済産業省による)。

こうした環境を追い風に、2024年4月のシリーズB資金調達以降、同社の主力の卸電力取扱高は累計3兆円を突破し、eSquare Liveを通じたスクリーン取引高も前年比25倍超に拡大した。あわせて、三菱UFJ銀行が資本参画する合弁会社eClearによる決済・与信リスク低減基盤の整備や、三井住友フィナンシャルグループとの合弁会社eXstendを通じた燃料取引ヘッジ支援を進め、エネルギー取引の安全性と事業者の経営安定に貢献している。

代表取締役CEOは野澤遼氏。関西電力でLNGトレーディングや電力取引組織の立ち上げを主導後、米資源商社にて米国電力市場(PJM、ERCOT)でのトレーディングに従事。ボストンコンサルティンググループでは、エネルギー企業向けにM&A支援や戦略立案、リスク管理、DX戦略策定を手がけ、2019年にenechainを創業した。

野澤氏は、「今回の増資により、資本金はおよそ100億円という一つの節目を迎えました。強固な財務基盤を得たことで、今後はM&Aを含む大胆な打ち手も積極的に検討し、非連続な成長を実現していきます。また、急速に進化するAI技術への投資を加速させると共に、スケーラビリティの鍵となるスクリーン取引に張り続けることで、市場のあり方そのものを変革していきます」と述べている。(一部抜粋)

調達した資金は、eSquare Liveへの追加投資、関連エネルギー商品のデータ集約や機能拡張、グローバル水準の取引体験・セキュリティ・可用性の強化、需給管理やリスク管理を中心としたエコシステム拡張、AI技術のプロダクト組み込みおよびAIラボ設立、そして社会インフラとしての高水準なセキュリティ基盤構築などに充当される予定である。さらに、今後はエネルギー業界周辺領域でのM&Aなども視野に入れるとしている。

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