BtoBセールス支援のギグセールスが3億円の資金調達、セールステック領域への事業拡大を目指す

BtoBに特化したセールス支援・マーケティングサービスを提供するギグセールス株式会社は6日、シリーズAラウンドにて、SREホールディングスを筆頭に、金融機関や個人投資家などから総額約3億円の資金調達を実施したことを明らかにした。
 
あわせて、SREホールディングスと資本業務提携を発表しており、今後は両者の強みを組み合わせた、営業活動のDXサービスの開発と展開を目指すほか、SREホールディングスのIPO経験を活かした、ギグセールスのIPO支援も行うとしている。
 
ギグセールスは、2017年3月創業。国内外のSaaS・IT・ソフトウェア企業を中心に、BtoBに特化したセールス支援を幅広く展開している。
近年、インサイドセールスの普及に代表されるように、ソフトウェア企業を中心として営業活動の分業化が進んでいる。同社はアウトバウンド型のインサイドセールスを中心に顧客が必要としている営業・マーケティングリソースを提供している。
 
営業支援を行う会社は多数存在するが、同社の特徴として「プロ営業™️」というモデルを採用していることが挙げられる。「プロ営業™️」とは同社が掲げる、成果・結果に応じて報酬を分配する働き方であり、独自のレイヤー構造に沿って、昇降格を繰り返す中で、最終的には自社の案件獲得も行えるようになり、自社でマーケティングを完結させるモデルを構築している。
 
取締役副社長の福山敦士氏によると、このモデルによって、一定の緊張感が生まれ、質の高いサービスを安定的に提供できるという。また、同社が作り上げた、未経験を一から営業マンに育成する独自の研修プログラム（ギグセールスアカデミー）があり、同社のインサイドセールスにおけるイネーブルメントの競争力向上に繋がっている。組織力強化と、個人のキャリア開発を両立させるべく、プロ営業向けの福利厚生施策も施しており、高い定着率を保っている。
直近100名を超える組織になっており、22年度以降、年間80名ペースでプロ営業調達と社員採用を進めていくとしている。
 
創業から5期続けて増収増益を果たし、新型コロナウイルス感染症（COVID-19）の感染拡大により、営業活動においても非対面ニーズが高まるなど、直近から売上・組織規模ともに3倍程度拡大しているという。

そのような中、今回、資金調達を行った背景として、自社内の生産性向上と新たなセグメントへの参入プロダクト（セールステック）を作っていくにあたって、SREホールディングスとの資本業務提携を筆頭に資金調達を行った。
 
ギグセールスはこれまでも、2020年に「SalesDataBase」のリリースをしており、営業活動のDXを目的としたセールステック領域に参入していたが、今回の提携を皮切りに、本格的に注力していく。
セールステック領域の新サービスとして、4月1日からBDR管理ツール「BOS™️」をクローズドベータ版として提供しており、6月頃を目処にα版の提供を開始する予定。
 
この提携を通じて、SREホールディングスが有する AI/ITテクノロジー・SaaSビジネスの知見とギグセールスのアウトバウンド型インサイドセールスのノウハウを融合させたセールスDX SaaSを開発していくとのこと。両者で効果検証・磨き込みを行いながら、サービスの展開をしていく。
 
現在、同社ではパートナーとなる企業を募集しており、事業開発など様々な形での連携を検討していきたいとしている。