日本初の介護×オンライン診療を展開する「ドクターメイト」が10億円を調達、更なる加速に向けエンジニアの採用強化
介護施設向けに医療相談・夜間オンコール代行を提供するドクターメイト株式会社は5月23日、シリーズBラウンドにおいて10億円の資金調達を実施したことを明らかにした。
引受先は、グローバル・ブレイン及び同社が運営する農林中金イノベーションファンド、Aflac Ventures LLC、DBJキャピタル、SMBCベンチャーキャピタル。
ドクターメイトは、介護施設向けの医療サポートを行っている。具体的には、日中のオンラインでの医療相談サービスと夜間のオンコール代行サービスを組み合わせた、介護施設スタッフ専用サービス『24時間医療アクセス「ドクターメイト」』を提供し、介護施設から24時間いつでも医療にアクセスできる仕組み作りに取り組んでいる。
オンコールとは、看護師など医療従事者が患者の容態急変時等に勤務時間外であっても呼ばれればいつでも出勤できるよう待機することだ。介護施設においては、人材難により一人の医療従事者が一年中、勤務時間外も待機しなければならないなど、負担が増している中、ドクターメイトのオンコール代行サービスがそのような現場を支える。
代表の青柳氏は、皮膚科を専門にする医師でもある。千葉大学医学部卒業後、総合病院や大学病院で皮膚科医として働いていた。病院では介護施設からの外来や入院の患者さんも多く、重症になるまで病院に連れてきてもらえなかったり、軽症でも救急車を呼んでしまったりする現状を目の当たりにし、医療と介護の連携における課題を感じていた。実際に介護施設を訪れると、入居者100人がいる施設に医師は1週間のうち半日しか来訪していなかった。医師は必要な処方を出すだけで終わってしまい、施設の担当者が医療関連で困ったとしても医師に聞くことができずにいた。そのため、現場では一旦様子を見るという判断になり、重症化してから病院に行くことが頻繁に起こっていたのだ。そこで、青柳氏は自ら解決すべく大学病院を辞め、皮膚科のクリニックとドクターメイトを立ち上げた。介護施設の往診など現場での医療に従事しながら、会社を経営している。
現在ドクターメイトは全国42都道府県の500以上の介護施設に導入されている。相談件数は1.5万件以上に上り、日中はチャット、夜間は電話で対応をしている。介護施設(介護事業所)は現在23.3万事業所あり、2000年に介護保険ができてから20年間で8倍に増えた。これは、全国にある信号機の数よりも多い。介護費も2025年には20兆円を超える見込みもあり、ドクターメイトはここをビッグマーケットとして注目している。
今回の調達資金では、事業拡大のために、主に既存事業の強化に向けた採用・広告宣伝と、新規プロダクト開発に向けたエンジニアの採用を強化する予定だ。次の1年間で導入施設数を800に増やし、人員の数も今の1.5倍にする。
採用ページ
https://recruit.doctormate.co.jp/
現段階では、この状況に対応するためチャットbotの開発が進んでいる。また、医療や相談内容、介護施設の入居者などの蓄積データを活用し、介護の質の見える化と効率化を図りたいという。そしてゆくゆくは、人々が料金や立地、施設の清潔さではなく医療体制の質を元に介護施設を選ぶことができ、介護施設側も介護の質を上げることで入居者の獲得やスタッフの確保に繋がるという仕組み作りをドクターメイトは目指している。
ドクターメイト株式会社
ドクターメイト株式会社は、介護施設向けに、チャットで医師に相談できるサービスや、夜間に看護師へ電話相談できるサービスを運営する企業。 チャット相談サービスでは、画像や動画での相談もでき、現役の医師から24時間以内に返答をもらえる。
代表者名 | 青柳直樹 |
設立日 | 2017年12月8日 |
住所 | 東京都中央区東日本橋3丁目7番19号 |