建設現場のコミュニケーション改革、スマホ一つで業界のデジタル化を牽引

建設現場のコミュニケーション改革、スマホ一つで業界のデジタル化を牽引

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KEPPLE編集部


建設業界向けコミュニケーションアプリ「クラフタ」を運営する株式会社グローバがプレシリーズAラウンドにて、第三者割当増資による2.2億円の資金調達を実施したことを明らかにした。

今回のラウンドでの引受先は、DIMENSION、SMBCベンチャーキャピタル、ココナラスキルパートナーズ、ちゅうぎんキャピタルパートナーズ、NCBベンチャーキャピタルなど。

今回の資金調達により1年で現在の3倍までMAUを拡大し、建設業界のプラットフォームとしてのサービス開発を進める。

建設現場向けのコミュニケーションプラットフォーム

クラフタは、建設業界で働く現場監督や職人向けの情報共有アプリだ。

ゼネコンやハウスメーカーが利用する建設SaaSとは異なり、小規模の工務店やリフォーム会社のコミュニケーションに特化。現場とのコミュニケーションツールが欠かせない建設業界において、スマホのアプリ内で図面や工程表などのやり取りが行える。業界内で使われ始めている、LINEに代わる無料アプリを目指す。

サービスイメージ
2020年12月のリリース以降、今年5月現在のMAUは約1万人。今後は、マネタイズによるプラットフォーム化を視野に、業界での無料アプリのシェア7割の獲得を目標とする。

今回の資金調達に際して、代表取締役 小河 泰史氏に、今後の展望などについて詳しく話を伺った。

全力で建設業界のコミュニケーションを改革する

―― これまで、建設業界にはどのような課題がありましたか?

小河氏:建設業界は現場仕事のため、いくら世の中にパソコンが普及してもデジタル化はなかなか進んでいませんでした。建設業界の多くを占める中小企業の工務店やリフォーム会社、大工・職人の方々は、仕事にデジタルツールを使っていません。現場監督はすべての現場に出向かなければ進捗がわからず、施工管理ができない状態です。また、大工や左官など、関わる職人に現場で撮った写真を送ったり、図面や工程表をFAXしたり、手持ちで届けたりする必要があります。メーカーや商社、問屋も、自社製品の営業は、FAXや電話などアナログな方法で行っている状態です。

建設業界の課題
ここ数年、多くの人がスマホを持つようになり、デジタル化が進んでいますが、ようやく業務でもLINEを使い始めた人が大半です。ただ、LINEで送った画像や資料は、さかのぼって探すのに時間がかかり、一定期間が過ぎるとサーバーから削除されてしまうため、改めて保存する必要があり、建設業界のコミュニケーションに最適化された利用はできません。

―― 創業のきっかけを教えてください。

私はアクセンチュア、リクルートを経て起業しました。もともと起業の意志があり、中小企業向けの事業に携わりたいと考えていました。会社員時代にさまざまな業界の会社を担当しましたが、中小企業のお客様への提案からは目に見える成果が出て会社が変わり、それを喜んでいただくことに面白さを感じていたからです。

建設業界は市場規模が大きいものの、ほとんどが中小企業でデジタル化が遅れています。自分が取り組みたいことと事業機会が重なっていると考え、2014年に創業し、まず「リフォームガイド」事業をスタートしました。家をリフォームしたい人の居住地域や内容に合わせて、リフォーム会社をマッチングするプラットフォームです。

創業当時、業界での連絡手段はFAXとガラケーが中心でしたが、2018年頃にはスマホでLINEのやり取りが始まっていました。リフォームガイドがあったからこそ、業界に関わる人たちがスマホに切り替えたり、アプリを使い始めたりしたことに気づけたのだと思います。このような変化の兆しを感じてクラフタの構想をスタートし、2020年12月にリリースしました。

ー2021年にリフォームガイドを事業譲渡されました。その経緯について教えてください。

競合のリフォームのプラットフォームも、買収や大手傘下に入ることで業績を伸ばしたように、インターネットのマッチングサービスは、運営母体が大きい方が有利な部分もあると考えています。将来的にはリフォームガイドもその方がさらに伸びるでしょう。後ろ髪引かれる思いはありましたが、働くメンバーやそれぞれのサービス自体にとってもいいことだと考え、当社はクラフタに集中し、リフォームガイドを事業譲渡することを決断しました。

コミュニケーションを入り口にデジタルツールを日常化

―― 資金調達の背景や使途について教えてください。

アクティブユーザー数の増加に注力してプロダクトを磨いてきた結果、現在約1万人にご利用いただいています。現場の方々にとってなくてはならない、LINEに替わるツールになったと実感しています。ここからマネタイズの仕組みを構築していく段階に移るため、資金調達に至りました。

資金使途としては、採用を強化したいと考えています。現在30名ほどのメンバーのうち、最も多いのはエンジニアですが、今後はビジネスサイドも含めた採用を予定しています。半年後には今の1.3倍の組織規模を目指しています。

―― 今後の長期的な展望を教えてください。

まずは1年でMAU数を3倍の3万ユーザーに増やし、マネタイズできる状態を作ることです。企業向けのビジネスプランを設けるほか、業界内の川上のプレイヤーと連携することで、建設業界のプラットフォームになることを構想しています。

建設業界では約500万人、住宅関係に限っても200万人以上が働いていると言われています。クラフタを、そうした方々の大部分が日常的に使うツールにすることが、将来像です。業界の多くの人が無料のコミュニケーションアプリを使い続けていく中で、それがLINEではなくクラフタとなるように、この領域のシェアを獲得したいと考えています。

クラフタを無料で提供している理由は、業界全体を良くすることに貢献したいからです。顧客管理や営業ツールとは異なり、コミュニケーションは唯一、業界の誰にとっても必要なことです。社内だけでなく社外の人も含めて、利用者が増えれば増えるほど便利になるので、まずは仕事でデジタルツールを使って仕事をすることを当たり前にするのが、第一歩だと思っています。

スタートアップスカウト

―― 創業のきっかけを教えてください。

私はアクセンチュア、リクルートを経て起業しました。もともと起業の意志があり、中小企業向けの事業に携わりたいと考えていました。会社員時代にさまざまな業界の会社を担当しましたが、中小企業のお客様への提案からは目に見える成果が出て会社が変わり、それを喜んでいただくことに面白さを感じていたからです。

建設業界は市場規模が大きいものの、ほとんどが中小企業でデジタル化が遅れています。自分が取り組みたいことと事業機会が重なっていると考え、2014年に創業し、まず「リフォームガイド」事業をスタートしました。家をリフォームしたい人の居住地域や内容に合わせて、リフォーム会社をマッチングするプラットフォームです。

創業当時、業界での連絡手段はFAXとガラケーが中心でしたが、2018年頃にはスマホでLINEのやり取りが始まっていました。リフォームガイドがあったからこそ、業界に関わる人たちがスマホに切り替えたり、アプリを使い始めたりしたことに気づけたのだと思います。このような変化の兆しを感じてクラフタの構想をスタートし、2020年12月にリリースしました。

ー2021年にリフォームガイドを事業譲渡されました。その経緯について教えてください。

競合のリフォームのプラットフォームも、買収や大手傘下に入ることで業績を伸ばしたように、インターネットのマッチングサービスは、運営母体が大きい方が有利な部分もあると考えています。将来的にはリフォームガイドもその方がさらに伸びるでしょう。後ろ髪引かれる思いはありましたが、働くメンバーやそれぞれのサービス自体にとってもいいことだと考え、当社はクラフタに集中し、リフォームガイドを事業譲渡することを決断しました。

コミュニケーションを入り口にデジタルツールを日常化

―― 資金調達の背景や使途について教えてください。

アクティブユーザー数の増加に注力してプロダクトを磨いてきた結果、現在約1万人にご利用いただいています。現場の方々にとってなくてはならない、LINEに替わるツールになったと実感しています。ここからマネタイズの仕組みを構築していく段階に移るため、資金調達に至りました。

資金使途としては、採用を強化したいと考えています。現在30名ほどのメンバーのうち、最も多いのはエンジニアですが、今後はビジネスサイドも含めた採用を予定しています。半年後には今の1.3倍の組織規模を目指しています。

―― 今後の長期的な展望を教えてください。

まずは1年でMAU数を3倍の3万ユーザーに増やし、マネタイズできる状態を作ることです。企業向けのビジネスプランを設けるほか、業界内の川上のプレイヤーと連携することで、建設業界のプラットフォームになることを構想しています。

建設業界では約500万人、住宅関係に限っても200万人以上が働いていると言われています。クラフタを、そうした方々の大部分が日常的に使うツールにすることが、将来像です。業界の多くの人が無料のコミュニケーションアプリを使い続けていく中で、それがLINEではなくクラフタとなるように、この領域のシェアを獲得したいと考えています。

クラフタを無料で提供している理由は、業界全体を良くすることに貢献したいからです。顧客管理や営業ツールとは異なり、コミュニケーションは唯一、業界の誰にとっても必要なことです。社内だけでなく社外の人も含めて、利用者が増えれば増えるほど便利になるので、まずは仕事でデジタルツールを使って仕事をすることを当たり前にするのが、第一歩だと思っています。

株式会社グローバ

株式会社グローバは、建築分野に特化した施工管理アプリ『クラフタ』や、人材紹介サービス『建築キャリア』などを運営する企業。 『クラフタ』は、建築現場の施工管理や、現場写真の共有などができるアプリ。パソコンやスマホで、現場単位で「LINE」のようなメッセージのやり取りや、写真の共有ができるため、情報が一元管理できる。 『建築キャリア』は、建築業界に特化した人材紹介サービスで、求職者および採用検討企業のサポートを行う。

代表者名小河泰史
設立日2014年10月1日
住所東京都渋谷区渋谷2丁目14-4渋谷mImビル4F
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