アフリカのタクシードライバー向けマイクロファイナンス事業を展開するHAKKI AFRICA(ハッキアフリカ)は、シリーズCラウンドの1stクローズにおいて、第三者割当増資および銀行融資による19.7億円の資金調達を発表した。創業以来の累計調達額は41.6億円に達した。
今回のラウンドでの引受先は、SMBCベンチャーキャピタル、グローバル・ブレイン、農林中央金庫、グローブアドバイザーズ、ごうぎんキャピタルの5社。借入先は、三井住友銀行、Funds Startups、北國銀行、ファルス。
同社は、独自のクレジットスコアリングシステムを活用し、アフリカ・ケニアのタクシードライバーに対して車両購入を支援する金融商品を提供している。多くのタクシードライバーが銀行融資を受けるための書類や資金を欠いている現状に対し、同社のシステムは機械的な与信審査を実現し、リスクを最小化する仕組みを整えている。
2023年度の連結決算では前年度比1330%の経常利益増加を達成しており、これまで3期連続で黒字を計上している。2024年8月には、アフリカでライドシェア事業を行うユニコーン企業Bolt(ボルト)とパートナーシップ契約を締結した。Boltが公式パートナーに提供するFleet Management Systemを活用することで、債権管理方法の幅が広がり、返済率をより高く維持することが可能となる。
代表取締役小林 嶺司氏は、22歳で起業し、シェアハウス・ゲストハウス事業を展開。4年で13店舗にまで拡大し、その後事業を売却。2019年には単身でアフリカ・ケニアに移住し、マイクロファイナンス事業を展開するスタートアップ、HAKKI AFRICAを立ち上げた。
アフリカでは、タクシードライバーの多くが車両をレンタルする形態で事業を営んでいる。同地域における金融包摂の必要性は高く、18億人以上が銀行口座を持たない状況にあるといわれる。今回調達した資金は、さらなる海外展開の加速や事業拡大に活用される予定だという。