大阪大学発スタートアップJiMED、3.5億円を調達 ワイヤレス植込型BMIの実用化を加速

大阪大学発スタートアップJiMED、3.5億円を調達 ワイヤレス植込型BMIの実用化を加速

xfacebooklinkedInnoteline

ワイヤレス植込型BMIシステム医療機器を開発するJiMEDは、シリーズAラウンドにおいて第三者割当増資による総額3.5億円の資金調達を実施した。引受先は慶應イノベーション・イニシアティブ、京都大学イノベーションキャピタル、グリーンコアである。これにより、同社の累計資金調達額は約8.5億円となった。また、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「ディープテック・スタートアップに対する実用化研究開発・量産化実証支援事業(DTSU)」の第5回公募において、STSフェーズに採択されたことも併せて発表した。

同社は、2020年3月に設立された大阪大学発の医療機器ベンチャー企業だ。脳と機器を直接つなぐブレイン・マシン・インターフェース(BMI)技術を活用した医療機器の開発を行っている。現在開発を進めているのは、ワイヤレスで脳信号を読み取り、外部デバイスに伝える「wiBMI®」という植込型BMIシステムである。この技術により、重度の神経疾患や外傷によって身体を動かすことができない患者が、意思を伝えたり、デバイスを操作したりすることが可能になる。特に、筋萎縮性側索硬化症(ALS)や脳卒中後遺症など、身体の自由を失った患者に対し、新たなコミュニケーション手段を提供することを目指している。

この技術の開発は、大阪大学の平田 雅之教授の研究を基盤としており、JiMEDはその成果を活用して実用化を進めている。

代表取締役の中村 仁氏は、アステラス製薬の研究本部において薬理試験やプロジェクトマネジメントに従事した。その後、デロイトトーマツコンサルティングにて国内外の大手製薬会社や医療機器会社の経営支援を担当。2022年4月にJiMEDの代表取締役に就任した。

BMI技術は、脳の信号を解読し、外部機器を制御する仕組みであり、重度の運動機能障害を持つ患者の支援手段として期待されている。この分野では、国内外の企業や研究機関が開発を進めており、安全性や長期的な実用性の確立が今後の課題となる。

今回の資金調達とNEDO事業への採択により、2025年に実施予定である筋萎縮性側索硬化症(ALS)患者向けの企業治験の準備を進める。また、製品改良に向けた国内外のパートナー企業との連携、事業基盤の構築を推進する予定だという。

新着記事

STARTUP NEWSLETTER

スタートアップの資金調達情報を漏れなくキャッチアップしたい方へ1週間分の資金調達情報を毎週お届けします

※登録することでプライバシーポリシーに同意したものとします

※配信はいつでも停止できます

投資家向けサービス

スタートアップ向けサービス