株式会社Dioseve

生殖医療分野のスタートアップである株式会社Dioseveは、シリーズA追加ラウンドで、Archetype Venturesをリード投資家とする第三者割当増資により、10億円超を調達したことを明らかにした。DG Daiwa Ventures、ミライドア(あすかイノベーションファンド)、D4V、塩野義製薬、Pangaea Ventures(カナダ・バンクーバー本社)が引受先として参加した。
同社はNEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)の「ディープテック・スタートアップ支援事業(DTSU)」にも採択されており、当該補助金を含めた累計調達額は29億円に達したとしている。
Dioseveは、iPS細胞の分化誘導技術を活用した生殖補助医療関連製品の研究開発を手がけるスタートアップだ。同社が開発を進める「ReproNest(リプロネスト、開発コード:DIOS-101)」は、iPS細胞由来の卵巣支持細胞様細胞を用いて、未成熟卵子の体外成熟を支援する共培養型製品候補である。
現在の不妊治療では、体外受精に向けたホルモン剤の投与や自己注射、複数回の通院が必要となるケースが多く、患者にとって身体的・精神的負担が大きい。Dioseveは、卵子体外成熟(IVM)技術の高度化により、薬剤注射や通院の回数を抑えるなど治療プロセスの負担軽減につながる可能性があるとして開発を進めている。
将来的には、一般的な不妊治療に加え、卵巣過剰刺激症候群(OHSS)※1のリスクが高い患者、がん治療前に妊孕性温存※2を必要とする患者などへの応用も視野に入れる。
今回調達した資金は、ReproNestの実用化に向けた研究開発、製造・品質管理体制の構築、国内外での規制対応、事業開発の推進などに充てる。海外投資家や製薬企業が参加したことで、将来的なグローバル展開や事業提携の可能性も広がったとみられる。
また同社は、生殖医学および発生生物学分野の研究者として知られる大阪大学大学院医学系研究科教授の林克彦氏が技術顧問に就任したことも発表した。研究開発体制を強化し、ReproNestの社会実装に向けた取り組みを進める。
Dioseveは今回の資金調達を通じて、ReproNestの実用化に向けた開発を加速する。国内での開発を進めるとともに、海外投資家や製薬企業との連携も生かし、グローバル展開を見据えた事業基盤の構築を進める考えだ。
※1 卵巣過剰刺激症候群(OHSS):不妊治療における排卵誘発剤の副作用で起こる症状。卵巣が腫れ、腹水などが生じることがあり、重症化すると血栓症や急性腎不全などを引き起こす恐れがある。
※2 妊孕性温存:がんなどの治療によって将来妊娠する力が低下、または失われるリスクに備え、治療前に卵子、精子、受精卵、卵巣組織などを採取・凍結保存し、将来の妊娠・出産の可能性を残す医療技術や取り組みのこと。









