微細藻類の研究開発を進めるガルデリア、4億円の資金調達と業務提携を発表

微細藻類の研究開発を進めるガルデリア、4億円の資金調達と業務提携を発表

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微細藻類の研究開発を行うガルデリアは、荒川化学工業、および新日本電工から、J-KISS(新株予約権型投資契約)を活用し、総額4億円の資金調達を完了したと発表した。これに伴い、各社との業務提携も推進する。

同社は温泉に生息する微細藻類「Galdieria(ガルディエリア)」の研究開発を通じ、環境問題や食糧問題、サーキュラーエコノミーの推進など、地球規模の社会課題の解決に取り組んでいる。同藻類は、高温・高酸性といった極限環境下でも生育可能で、細胞表面に貴金属を選択的に吸着する能力を持つ。この特性を活かし、都市鉱山や工場廃液からの貴金属リサイクル技術としての応用を目指している。また、高い栄養価と生産性を活かした食品開発にも取り組んでおり、プラントベースの良質なタンパク質やグリコーゲン、抗酸化物質などを含むGaldieriaは、世界的なタンパク質危機への解決策として期待されている。

代表取締役CEOの谷本 肇氏は、大学院修了後、外資系経営コンサルティング会社に勤務。その後米国シリコンバレーに渡り、ベンチャー企業の事業開発支援に6年間従事する。2000年にリアルコムを創業し、代表取締役CEOに就任。2007年には同社を東証マザーズに上場させる。上場後リアルコムを退職し、2013年にテネクスを創業。2015年10月にはガルデリアを共同創業し、代表取締役CEOに就任した。

微細藻類の研究開発は、近年注目を集めている分野である。特に、Galdieriaのような極限環境に適応した藻類は、その特異な特性から、環境浄化や資源回収、食品・医薬品の原料など、多岐にわたる応用が期待されている。国内外の企業や研究機関も、この分野への投資や共同研究を活発化させており、市場の成長が見込まれている。

今回の資金調達により、ガルデリアは事業開発の推進、生産能力の向上、人材確保と組織強化、研究開発の強化を図る予定である。具体的には、食品対応可能な月産4トン規模の生産施設の開発や、貴金属吸着技術の深化、細胞内容物を活用した新領域への展開などが挙げられる。荒川化学工業とは内容物応用分野で、新日本電工とは貴金属回収分野での業務提携を通じ、各社の強みを結集し、事業開発のさらなる加速と持続的な成長を目指すとしている。

今後、大規模商業生産の早期実現や、国内外での事業展開を視野に入れ、環境問題や食糧問題の解決に貢献する技術の社会実装を進める方針だ。

画像はガルデリア プレスリリースより

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