エチオピアから世界的スタートアップへ、アフリカの交通を変革するDodai

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KEPPLE編集部


エチオピアを拠点に電動モビリティの普及を行う株式会社Dodaiが、第三者割当増資による約2億円の資金調達を実施したことを明らかにした。

今回のラウンドでの引受先は、インクルージョン・ジャパン。

今回の資金調達によりエチオピアでの電動二輪の販売を開始し、2024年には年間5000台の販売を目指す。

エチオピアへ新たな移動手段を提供

同社はエチオピアを拠点に、「to make e-mobillity accessible to everyone in Africa」のミッションのもと、電動モビリティの普及を通じたアフリカ全土の移動手段の革新を目指している。

電動二輪や電動三輪を海外から仕入れ、組み立てた完成品を販売するビジネスを手掛けており、2023年6月以降、エチオピアで電動二輪の販売を開始している。
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今後は電動二輪や電動三輪の販売に限らず、バッテリーの交換プラットフォームとしてのサービス開発にも取り組む。

今回の資金調達に際して、代表取締役兼CEO 佐々木 裕馬氏に、今後の展望などについて詳しく話を伺った。

人々の移動を快適にし、雇用も創出する

―― これまで、アフリカやエチオピアにはどのような課題がありましたか?

佐々木氏:いくつか重要な問題はありますが、特に注目しているのは移動や交通の問題です。一部の裕福な人は自家用車やライドシェアサービスを利用して移動ができますが、多くの国民は、安価ではありながら移動効率が悪い乗合バスを乗り継ぐしかないなど、手軽にドアトゥドアで移動できる手段は存在しません。こうした傾向はアフリカ全体の課題といえます。

雇用の問題も生じています。エチオピアの人口は1億2000万人程度と日本と同様の規模ですが、平均年齢は19歳ととても若く、さらに若い人が今後増えていくとされています。加えて、現在のエチオピアにおける一人当たりのGDPは年間1000USD程度と非常に低く、新たな雇用機会を創出することも急務となっています。

現地の様子
またエチオピアでは、これまで行ってきた政府のガソリン購入に関する補助金提供を取りやめました。最近のガソリン価格の高騰もあり、ガソリン車の利用にかかるコストが上がってきています。一方でエチオピアは電力の値段がアフリカで一番安く、そのほとんどが再生可能エネルギーにより生成されています。

これらの背景から、エチオピアを中心としたアフリカ地域に、四輪と比べて価格を抑えた電動二輪を交通手段として提供していくことで、移動がスムーズになるだけでなく、バイク版のライドシェアやデリバリーサービスを通じた雇用機会を生み出していくことが重要だと考えています。こうした土台をゼロから作り上げるのであれば、電動モビリティを活用して、同時に脱炭素の取り組みも進めるべきです。

―― 創業のきっかけを教えてください。

Uber Japanでの営業本部長としての経験や電動キックボードのLuupの副社長を経て、2021年よりアフリカに拠点を移しました。当時のエチオピアは内戦中だったこともあり、まずはアフリカのジブチという国で太陽光発電の事業を立ち上げました。

内戦が落ち着いたタイミングでエチオピアに拠点を移しましたが、それまでも何度かエチオピアへ実際に足を運びながら、マーケットリサーチを行いました。ジブチと異なり、電力に関する課題感は大きくない一方で、人々の移動に関する課題があり、これまでの経験も活かせると思い、電動モビリティ事業にピボットをして現在に至ります。

―― アフリカでビジネスを手がける理由を教えてください。

大きく二点の理由があります。私は、山のようにある課題を、次々解決していくことが好きなんです。アフリカを歩いていると、日本のような先進国と比べてあまりにも多くの課題がそこら中に転がっています。また、課題解決の難易度もある意味低いといえます。電動モビリティの文脈だと、そもそもアフリカには電動モビリティが多くないので、まず持ってくるというシンプルな解決策が取れます。次の世代に向けたインフラを作る一端を実感しながら、チームで達成していく環境にやりがいを感じるんです。

また、ビジネス的な観点でもアフリカに魅力を感じています。アフリカでは各国が急速に成長しており、新たなビジネスが生まれやすい土台があります。プロダクトやサービスを世に送りこめた際の、ビジネスとしての伸び方が圧倒的に先進国とは異なります。リスクは大きいですが成功した際のリターンも非常に大きく、こうしたダイナミズムやビジネス上の伸び、リスクとリターンのバランスに引き付けられています。

電動モビリティを起点に次世代の社会インフラへ

―― 資金調達の背景や使途について教えてください。

主に電動二輪や電動三輪を提供していくにあたり、必要な仕入れ費用として資金調達を実施しました。その他にも新しいスタッフやマーケティングに調達資金の2割程度、我々が最終的に目指すバッテリー交換プラットフォームの開発費用に1割程度の資金を充当します。

採用ポジションとしては、営業と組立作業員が中心となります。営業は私たちの商品を売るためのキーポジションです。組立に関してはエチオピアの規制により、販売をするには自社でバイクの組み立てを行う必要があるため、これらの人材を増やしていく予定です。

Dodaiのバイク
現在在籍するメンバーは、組織における各機能のチーム作りを牽引することを期待して採用しています。今後に関しては、彼らが自分のチームに適するメンバーをそれぞれで強化していく方針です。今は7名ほどの組織ですが、2023年末には40名程度までの組織規模拡大を考えています。

―― 今後の展望を教えてください。

電動モビリティの提供をしっかりと進め、2023年末までに500台の販売を目指します。2024年にはその10倍の5000台の販売目標を掲げています。

まずは電動モビリティの販売に取り組んでいますが、今後はバッテリーのプラットフォームを目指します。電動二輪車の普及を進めるうえで、ユーザーが安心して利用できるエネルギー供給の形を提供することが必要です。どこにでもバッテリーの交換ステーションがあることで、利用者は電力について気にする必要もない状況を作っていきます、

中長期的なビジョンとしては、次世代のインフラとなる土台を作ることを目指しています。それは単に物理的なインフラだけでなく、人々が自分たちで何かを創り出すというメンタリティの土台作りも含みます。アフリカはこれまでの歴史的背景もあり、自分たちでゼロから何かを生み出すことに消極的な一面があります。アフリカの電動二輪といえば、エチオピアのDodaiだよねというように、アフリカの若者が自発的に社会課題に取り組むような刺激を与えたいです。

また日本出身の起業家として、日本のビジネスとアフリカをつなぐことへも関心を持っています。モビリティ分野の世界的なブランド企業とは、当社が持つ電動モビリティへの知見やナレッジを共有することに貢献できると思いますし、大手企業との提携はアフリカにおける当社の信頼度向上にもつながります。また世界で初めて大成功をするようなスタートアップとして、日本のスタートアップ産業に新たなインスピレーションを与えられるよう取り組んでいきます。


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