iCUREX株式会社

キトサンを用いた医療機器の研究開発を手がけるiCUREX株式会社は、シリーズAラウンドの1stクローズで、出資と融資を合わせて総額1.4億円を調達したと発表。
NCBベンチャーキャピタルをリード投資家とし、同社とグリーンコア、INDEPを引受先とする優先株式による1億円の調達と、日本政策金融公庫からの融資4000万円で構成される。同社は、シリーズAラウンドの2ndクローズによる追加調達も視野に入れている。
iCUREXは、2023年10月設立の鹿児島大学認定ベンチャーだ。20年以上にわたる基礎研究を基盤に、天然由来の高分子であるキトサンを活用したハイドロゲル(水分を多く含むゲル状の材料)技術による医療機器の開発を進めている。2024年には医療機器の製造販売業許可や製造業登録などを取得し、開発から製造、販売までを担う体制を整えた。
創傷治療では、傷口を適切な湿潤環境に保つことが重要とされている。一方、狭く複雑な形状の傷口に被覆材(傷口を覆って保護する医療材料)を使用する際には、その形状に合わせた処置が求められる。同社はこうした医療現場のニーズに着目し、シリンジから直接注入できる創傷被覆材を開発した。
同社が展開する「キトスラCX」は、カニやエビなどの甲殻類に由来するキチンから得られるキトサンを主原料とした創傷被覆材だ。あらかじめゲル化された微粒子をシリンジに充填しており、傷口に直接注入することで、その形状に応じた被覆が可能となる。傷口の湿潤環境を維持し、治癒を促進することを目的としている。
同製品は2026年5月1日に、高度管理医療機器(クラスⅢ)として製造販売承認を取得し、同年7月の保険適用を経て、9月に販売を開始した。クラスⅢは、不具合が生じた場合に人体へのリスクが比較的高いと考えられる医療機器の分類を指す。
今回調達した資金は、製造設備の増強や原材料・部材の調達、製造・品質管理体制の強化に充てる。また、医療機関との連携による臨床エビデンスの蓄積や、医療従事者への製品情報の提供も進める。
今後は、キトサンハイドロゲル技術を活用した次世代製品の研究開発に加え、将来的な海外展開を見据えた事業基盤の整備にも取り組む方針だ。









