70億円調達の小型衛星開発スタートアップ、量産に向け展開加速

70億円調達の小型衛星開発スタートアップ、量産に向け展開加速

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KEPPLE編集部

小型SAR衛星を開発するSynspectiveがシリーズCラウンドにて、第三者割当増資による70億円の資金調達を実施したことを明らかにした。

今回のラウンドでの引受先は、日本グロースキャピタル、ジャフコグループ、みずほキャピタル、エースタート、大和ハウスグループ、りそなキャピタル、豊田合成、トヨタ紡織、その他個人投資家等。

Synspectiveは、マイクロ波を使って地表面を観測するSAR衛星「StriX」を開発する。SARは、合成開口レーダーと呼ばれ、マイクロ波を使って地表面を観測する技術。昼夜を問わず地表面を観測できるという。JAXA、東京大学、東京工業大学、慶應義塾大学等との連携により開発している。折り畳み可能なSARアンテナや高出力化などにより、衛星サイズの小型化と低コスト化を実現。重量は、従来のSAR衛星の約1/10、コストは約1/20を実現。

また、衛星からの継続的なモニタリングを活用し、InSAR解析技術で地すべりや地盤沈下などのリスクを検出する「Land Displacement Monitoring (LDM)」や、洪水被害況を地表観測で把握する「Flood Damage Assessment (FDA)」、大雨や強風に伴う土砂災害の状況を把握する「Disaster Damage Assessment (DDA)」なども開発している。

同社は、コンサルティングファームでの事業経験を持ち、東大大学院で技術経営の博士号を取得した新井 元行氏が、内閣府の革新的研究開発プログラム「ImPACT」の研究成果の社会実装を目指し、2018年2月に設立した。新井氏は、複数の国際プロジェクトでテクノロジーと経済の知識を活かし、産官学連携の事業構築に携わった経験も持つ。

2020 年に実証衛星1号機「StriX-α」の打上げに成功。2020年代後半には30機の小型SAR衛星コンステレーションの構築を目指す。

2024年6月には、米国のRocket Lab社が提供するエレクトロン・ロケットで、今後10機の衛星打上げを行うことに合意した。同月、2022年9月に打ち上げた「StriX-1」および2024年3月に打ち上げた「StriX-3」において、日次干渉SAR解析向け画像のテスト観測に成功したと発表した。

今回の調達資金は、小型SAR衛星の開発・製造の本格化やグローバル展開に充当するという。

画像はSynspectiveプレスリリースより

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