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無人小型衛星で実証を加速、ポストISS時代の宇宙環境利用プラットフォームに──ElevationSpace

宇宙での実証・実験後に地球へ帰還可能な宇宙機を開発するElevationSpaceは、ドイツのロケット打ち上げ企業Isar Aerospaceと契約を締結した。これにより、同社の宇宙機「ELS-R100シリーズ」の初号機「あおば」を2026年後半に軌道投入する予定である。
ElevationSpaceは、2021年に設立された宮城県仙台市に本社を置くスタートアップ企業である。日本が培ってきた小型再突入技術を基盤に、宇宙環境での研究開発や製造された物資を地球に運ぶ小型宇宙機の開発を進めている。特に、無重力環境を活用した実験や実証を無人の小型衛星で行い、地球に帰還させる「ELS-R」サービスの提供を目指している。
代表取締役CEOの小林 稜平氏は、高専在学中の19歳の時に宇宙建築に出会い、東北大学に編入して建築学と宇宙工学を専攻し、修士号(工学)を取得。大学在学中には人工衛星開発プロジェクトや次世代宇宙建築物の研究に従事した。その後宇宙ベンチャーを含む複数社でのインターンを経て、2021年2月にElevationSpaceを起業した。
小林氏は、「『あおば』は日本がこれまで培ってきた豊富な小型再突入技術を土台に、地球低軌道の商業化と軌道上の交通網構築の第一歩になる宇宙機です。『あおば』の打ち上げにおいて、欧州の宇宙開発をリードしているIsar Aerospaceと連携できることを嬉しく思います。この連携を機に、欧州を始めとする世界中のユーザーへのサービス提供を加速して参ります。」とコメントした。
Isar Aerospaceは、2018年にドイツのミュンヘン近郊で設立された航空宇宙企業である。小型・中型衛星や衛星群を地球の軌道に運ぶための打ち上げロケットの開発、製造、運用を行っている。二段式液体燃料ロケット「Spectrum」を開発し、宇宙へのアクセスを支えている。
同社CCO Stella Guillen氏は、「宇宙へのアクセスは、技術の進歩を解き放つために不可欠です。私たちは、アジア市場をリードするイノベーターであるElevationSpaceと提携し、最先端の宇宙研究の未来を推進できることを嬉しく思います。」と述べた。
宇宙ビジネス市場は近年急速に拡大しており、民間企業による宇宙開発やサービス提供が活発化している。特に、小型衛星の需要増加や宇宙環境を利用した新たなビジネスモデルの登場が注目されている。
今回の契約により、同社はELS-Rの初号機あおばを打ち上げ、宇宙環境での実証・実験を進める。また、欧州を始めとする海外へのサービス提供を加速する計画だ。
画像はElevationSpaceプレスリリースより
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