取締役会の新潮流、企業の意思決定に革新をもたらすミチビクの挑戦

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KEPPLE編集部


取締役会など重要会議の運営管理サービスを提供するミチビク株式会社が、第三者割当増資による1.7億円、銀行融資による3000万円の資金調達を実施したことを明らかにした。

引受先は、DIMENSION、みずほキャピタル、有安伸宏氏。融資における借入先は、日本政策金融公庫、株式会社商工組合中央金庫などの金融機関。

今回の資金調達によりAIを活用したプロダクトの機能強化を進め、長期的には国内の全上場企業へのサービス導入を目指す。

michibikuで重要会議の運営を支援

同社が提供するmichibikuは、企業の取締役会のDXを促進するサービス。取締役会運営の効率化を支援するツールから、会議自体の品質向上に寄与する重要会議の運営管理プラットフォームへの転換を図っている。

michibiku
michibikuは、取締役会にとどまらず、監査会や経営会議といった重要会議の情報共有、押印を含めたコミュニケーションを一元管理する。煩雑な業務の効率化に加え、会議データの蓄積による定量的な会議の可視化、品質向上を目指すプロダクトだ。

2022年8月に正式ローンチし、課題感の大きい大企業を中心に利用しており、上場を視野に入れるスタートアップの利用も少なくない。取締役会事務局の仕組み作りのニーズもある。

今回の資金調達に際して、代表取締役CEO 中村 竜典氏に、今後の展望などについて詳しく話を伺った。

業界横断で共通する会議運営の課題

―― これまで、企業の重要会議の運営にはどのような課題がありましたか?

中村氏:株主総会だけでなく、取締役会や監査役会などの重要会議は、会社法で手続きが定められていることもあり、フローが非常に煩雑です。

日程調整から始まり、招集通知の作成・送付、会議の開催、議事録の作成、回覧、印刷、製本、署名をもらって保管する。個別に連絡するべき参加者が多いことに加え、工程も長く、業務は煩雑を極めます。会議の内容にも課題があり、稟議や報告など、変わり映えのない議論に毎回多くの時間を費やしているのが多くの企業の現状です。

こうした会議体の運営を担当しているのは、事務局と呼ばれる役割の方々で、さまざまなツールを組み合わせながら、どうにか取り組んでいる状態です。2020年5月に議事録への電子署名が認められたことで、紙への押印という暗黙のルールはなくなりましたが、日程調整や招集通知、議事録などに使用しているツールがそれぞれ違うため、煩雑さの多くが残されています。
取締役会開催の課題
また、会議自体の質が向上しないことも各社の課題です。取締役会は準備などの間接コストも含めて、1度の開催で50万円以上のコストがかかっていると思います。議論すべき重要な議題があるのに、稟議が上がってきたり、報告に偏ってしまったりして、気が付けば会議の半分以上が手続き系の内容になってしまうことも少なくありません。しかも、それが見える化されることもないため、変えようというアクションに繋がりません。

―― 創業のきっかけを教えてください。

私は高校を出た後、トヨタ系の自動車工場で車を作っており、そこでトヨタ生産方式を叩き込まれました。非効率的なことをなるべくなくし、限られた時間の中で最高の成果をどう出すか。そういった考え方を強く持っていると思っています。キャリアチェンジのために公認会計士試験を受け、合格して監査法人に就職した後、スタートアップでコーポレート業務の責任者を務めました。

そこで初めて、実際に事務局業務に携わりました。あらゆる業務がデジタル化していく中で、いまだに紙と印鑑を使っていることに違和感を覚えましたね。その後、独立してIPO支援に携わった際、どの企業も同じような業務を行っており、非効率な業務にペインを抱えていることがわかりました。

旧態依然のアナログな運営は改善すべきと考えていた矢先にコロナ禍となり、法律の解釈が拡大されたことでサービスの提供が可能になりました。これは大きなチャンスだと感じ、創業に至った経緯があります。

―― michibikuリリース後のユーザーからの反応について教えてください。

ベータ版に対しては厳しいご意見もいただきましたが、正式ローンチ後はプライム市場を始めとする上場企業への導入も進み、困っている方の存在とニーズを強く感じています。意味のあるサービスにできたという実感があります。

運営にマンパワーがかかっているお客様からは、業務効率化に好評をいただいています。また、会議の質を高める目的の場合は、会議自体を定量的に見られるようになったことや、次の打ち手を考えられる点を高く評価いただいています。

企業の意思決定を支えるボードポータルシステムへ

―― 資金調達の背景や使途について教えてください。

多くの上場企業にサービスを利用いただいていますが、更なる価値提供のための資金調達を実施しました。AIを活用したプロダクト開発と、組織の強化を予定しています。現在、全体で20名ほどの組織のうち、半分以上がエンジニアとデザイナーです。今後はセールス、マーケティング、CSに積極的に投資することで、1年で1.5倍を目安に組織拡大を図りたいと考えています。

―― 今後の長期的な展望を教えてください。

今後は、業務フローの効率化・標準化に加え、会議の質をより良くする面を強化したいと考えています。AIを活用し、会議データから議論の傾向や内容を分析できる機能を備えて、意思決定の質を上げることに取り組みます。

目指しているのは、michibikuをすべての上場企業に使っていただくことです。欧米では、ボードポータルと呼ばれる重要会議向けソフトウェア領域の市場は伸び続けており、その中でもアメリカのDiligent社のサービスは、欧米の主要な市場に上場している企業の約80%に使われています。日本でも各市場を合わせて約4000社の上場企業に、michibikuを使っていただくのは、実現できることだと考えています。日本でも、会計システムを使っていない会社はほとんどないと思います。同じようにボードポータルシステムを使うことは当たり前で、使っていない会社はない、という状態を目指していきます。

また、海外ではGRC(ガバナンス・リスク・コンプライアンス)と呼ばれる領域があります。当社が今取り組んでいるのはガバナンスの部分ですが、いずれはリスクやコンプライアンスに対するサービスも、日本の市場で拡大させていきたいと考えています。

ミチビク株式会社

ミチビク株式会社は、取締役会に関する業務支援ツール『michibiku』の企画・開発・運営を行う企業。 同社は、取締役会開催に関する業務のDX化支援ツール『michibiku』の開発・運営を行う。同ツールは、取締役会の招集通知・議事録・署名などをペーパーレスで行い、電子署名が可能。議事録作成は、招集通知の内容から日時や参加者、議案を自動入力できる。参加者は、同ツールの確認画面上で、確認やコメント、電子署名対応をする。

代表者名中村竜典
設立日2021年4月13日
住所東京都渋谷区神宮前6丁目23番4号桑野ビル2階
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