「スタートアップファクトリー」のBLUEPRINT、17.8億円で経営基盤を強化

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KEPPLE編集部

新規事業の立ち上げからIPOまでを手がける合同会社BLUEPRINTが、保有するスタートアップの株式譲渡と創業者からの追加出資による17.8億円の資金調達を実施したことを明らかにした。合わせて、株式会社への組織変更と、会社名を株式会社BLUEPRINT Foundersに変更したことを発表した。

調達した資金は、人材採用など内部体制の強化に充て、新規事業へのさらなる挑戦を続ける。

「スタートアップを立ち上げて上場を目指す」という事業

BLUEPRINTは、スタートアップを次々に立ち上げ、上場を目指して急成長させる「スタートアップファクトリー事業」に取り組む。立ち上げた会社の株式売却によってリターンを得ている。起業したスタートアップで開発するプロダクトは、業界や業種を限定した「バーティカルSaaS」に特化している。

VCやコンサルティング会社と異なるのは、事業アイデアの創出から半年間のテストマーケティングを経て会社を設立し、その運営も担う点だ。起業した会社が成長すると、徐々に投資先のCXOへ経営権を移譲。IPOを前提に、設立から5年でのEXITを目標としている。

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同社がこれまで法人向けのDX支援に特化して立ち上げた企業は3社。2022年に設立したのが、株式会社Archi Village(アーキヴィレッジ)と株式会社Fact Base(ファクトベース)だ。前者は建材業界向け、後者は製造業界の町工場向けであるところに、同社の業界を問わない方針が表れている。

今回の資金調達に際して、代表取締役CEO 竹内 将高氏(写真左)と取締役CFO 松﨑 卓也氏(写真右)に、今後の展望などについて詳しく話を伺った。

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事業アイデア創出のカギは現場リサーチ

―― スタートアップファクトリー事業はどのように作り上げられたのでしょうか?

竹内氏:私はキーエンスで5年半ほどのサラリーマン経験を経て、最初は個人で起業しようと思っていました。しかし、BLUEPRINTのFounder 3人と出会い、そのビジョンに共感し今に至ります。私の持っているスキルセットを生かし、事業の立ち上げに携わることで、当社が目指す「起業の標準化」に取り組んでいこうと考えました。

起業はどうしても属人的になり、再現性がありません。しかし、その業務を因数分解し、組織の中で誰が何を担っているか切り分けられれば、似通った課題感をもとに別の事業を立ち上げる時に再現できます。それこそが私たちが目指す「起業の標準化」です。

例えば、事業アイデアの創出には現場を知るリサーチ作業が重要です。アイデアの種を得るために1か月で40名に会うと、10の課題が見つかることが分かれば、他の人にも多少のブレはあれども、同じアクションにより、いくつかの事業の種を探し出すことができます。現在、主に私が担っているのは、この作業の言語化をすることで、標準化を加速させていくことです。

―― この事業を推進するうえで、特に重視しているのはどのような点ですか?

松﨑氏:私たちの事業では、アイデア出しからテストマーケティングまで半年ほどで、法人を設立しています。そこからビジネスを本格化して5年かけてIPOを達成するのが基本的なモデルです。EXITの方法をM&AもしくはIPOに設定している会社が多い中、私たちはどの会社もIPOのみを前提として作っています。

特徴としては、IPOまでの各フェーズにおいて、終了条件を設定している点です。例えば、テストマーケティングを経た投資本格化のタイミングでは、見込み売上高3000万円以上か、見込み受注件数30件以上、これをクリアした事業しか法人設立していません。

これを達成するのは結構難しいのです。この時点ではまだプロダクトが無い状況のため、モックやコンセプトで、この数字をクリアしていかなければなりません。厳しい条件ではあるのですが、この段階で達成することにより、設立後、第1四半期時点で3000万円くらいの売り上げを出せる会社になるのです。私たちは会社の安定性にとてもこだわっており、はじめからキャッシュフローがプラスになるような事業を創ることを重視しています。

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バーティカルSaaS事業で追求する「起業の標準化」

―― 資金調達の背景や使途について教えてください。

松﨑氏:グループ会社の財務基盤の強化が資金調達の背景です。各子会社ではキャッシュフローがプラスになっているので、エクイティ調達は不要であることが前提です。ただ、新規事業の中には1期全体での黒字化は見込めても、道中の半年間はブリッジの資金を厚めに持っておきたいケースもあります。そのために、今回の資金調達を行いました。

使途については大きく4つです。既存事業の加速、新規事業の立ち上げ、人材採用、そしてプロダクト開発に充てます。人材採用については立ち上げた会社ごとに必要となりますので、通常の会社の何十倍も負担が大きいと考えています。

―― 今後の長期的な展望を教えてください。

竹内氏:ここ一年程ですぐに始められそうな事業アイデアは3〜4個ありますので、まずはそれらをカタチにしていきたいです。

長期的には、国内の幅広い業界でバーティカルSaaS事業を成し遂げたいと考えています。その後、社会的貢献度の高いディープテック分野、BtoC領域への進出、さらには海外展開も視野に入れています。「BLUEPRINTが作った会社は絶対に失敗しないよね」と思ってもらえるよう次々と事業を成功させ、起業の標準化というゴールを目指します。

そのためにも、知的好奇心が高く、チャレンジ精神旺盛な若い方々に入ってきていただきたいですね。限りなくゼロに近いところから事業を作ってIPOまでの過程が見られるので良い経験を積んでいただけると思います。

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