ベテラン社員の判断基準をAIで再現──any、新サービス「Qast Clone」を提供開始

ベテラン社員の判断基準をAIで再現──any、新サービス「Qast Clone」を提供開始

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企業内の知識共有を支援するany株式会社は、ベテラン社員などが持つ判断基準をAIで再現する新サービス「Qast Clone(キャスト クローン)」を2026年11月5日から提供開始すると発表した。正式提供に先立ち、複数の大手企業で同サービスを活用したAIの構築を進めている。

anyは、企業内の情報や従業員の知識・経験を蓄積・共有するAIナレッジプラットフォーム「Qast」を開発・提供している。社内資料の自動分類・要約や、蓄積された情報をもとに生成AIが質問に回答する機能などを備える。同社によると、製造業や建設業、小売業などで導入され、利用者数は9万8000人を超えているという。

企業では、ベテラン社員の退職に伴い、経験に基づく判断や業務上のノウハウをどのように引き継ぐかが課題となっている。特に、明文化されていない判断基準や組織独自のルールは、資料の共有だけでは継承が難しい。

さらに、企業での組織的なAI活用にも課題が残る。総務省の「令和8年版 情報通信白書」によると、企業におけるAIの活用方針について、「積極的に活用する」「活用する領域を限定して利用する」と回答した割合が計68.9%に上った一方で、AIを活用した業務変革などについて「組織的な取組はない」との回答は27.0%を占めている。※

今回提供する「Qast Clone」は、個人や部署、業務領域ごとの判断基準を反映させたAI「ナレッジクローン」を構築し、業務上の相談や資料の確認などに活用できるサービスだ。社内会議の音声や資料から判断に必要な情報を抽出するほか、対象者本人へのインタビューを通じて、判断に至る理由や組織固有のルールを整理する。

「ナレッジクローン」によるレビューのイメージ画面
「ナレッジクローン」によるレビューのイメージ画面(画像:同社プレスリリースより)

構築したAIは、チャットでの相談や意見交換に対応するほか、提案書などを読み込み、対象者の判断基準に沿ったレビューとその理由を提示する。また、本人がAIの回答を評価・修正したり、定期的なアンケートで不足情報を補ったりすることで、再現精度の向上を図る。経営層だけでなく、部長や現場の管理職なども対象とし、営業や経営などの業務領域に応じて活用できるという。

同社では、代表取締役CEOの吉田 和史氏の会議記録や資料、本人へのヒアリングをもとに構築した「AI吉田」を社内で活用している。社員からの相談や資料レビューに利用するほか、開発中の会議参加機能も試験的に運用しているという。同機能では、AIが会議中に意見を示したり、質問に回答したりすることを想定しており、2027年1月の提供を予定する。

今後は、既存の「Qast」と新サービス「Qast Clone」を通じて、企業内に蓄積された知識や経験の共有に加え、個人が持つ判断基準やノウハウを日常業務で活用できる仕組みの提供を進める方針だ。

※出典:総務省「令和8年版 情報通信白書」(2025年度調査)。「組織的な取組はない」と回答した割合は、生成AIの利用を禁止している企業を除いて集計したもの。

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