公務員の採用に新風、社会を支える官公庁キャリアの選択肢を広げる

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KEPPLE編集部


官公庁・自治体向けの人材採用プラットフォームを提供する株式会社パブリックコネクトが、ANRIを引受先とした第三者割当増資による3000万円の資金調達を実施したことを明らかにした。

今回の資金調達により、約2年で500以上の団体に向けて人材採用プラットフォームの導入を目指す。

全国の官公庁の魅力が伝わる採用プラットフォーム

同社が2023年8月より提供する「PUBLIC CONNECT」は、官公庁・自治体に特化した採用プラットフォームサービスだ。
サービスイメージ
全国の官公庁や自治体の求人を掲載し、各官公庁自らがPRコンテンツを掲載することで、働く地域や仕事の魅力をアピールできる。

リリースからすでに、日本全国約50の市区町村の採用現場で導入を予定しており、2025年3月末までは無償でサービスを利用することができる。

また同社は、公務員からの転職の支援を行う「Gov2Career」を運営する。国の行政機関や地方自治体で勤務する公務員向けに、行政で培ったスキルや経験を活かした民間企業への転職をサポートする。

今回の資金調達に際して、代表取締役CEO 平田 祐太郎氏に今後の展望などについて詳しく話を伺った。

変革が求められる官公庁の採用活動

―― これまで、官公庁の採用活動にはどのような課題がありましたか?

平田氏:官公庁での公務員としての勤務は以前から人気も高く、今でもまだ応募数が募集人数を上回る傾向にあります。ただその先行きは楽観視できません。これまで官公庁では高卒や大卒を中心に採用してきた一方で、少子化による若年層の減少を背景に、官公庁の求人への応募数は減り続けています。

加えて、官公庁の離職率は民間企業と比較してかなり低く、職員が定年まで勤めあげることへの期待が大きい現状があります。しかしながら、民間企業と同じように、官公庁の職員の離職率は徐々に上がってきています。

セカンドキャリアに目を向ける公務員が増えていること自体は喜ばしいことですが、これまでの役所組織のモデルが通用しなくなっていることは、官公庁が置かれている課題の一つです。

採用活動に注力すべきという認識が徐々に広がってきていますが、民間企業と異なり、官公庁では採用に専門性を持つ職員は多くありません。官公庁では、定期的な部署異動があるためです。また、採用活動に従事している職員は少数で、役所組織として採用活動に対する理解が不足している状況もあります。

―― PUBLIC CONNECTの特徴や利用メリットについて教えてください。

官公庁に特化していることは大きな特徴ですが、単なる求人サイトではありません。これまでは自治体のホームページを検索することでようやく求人情報を得ることができましたが、その多くは求職者にとって探しやすかったり、読みやすいものではありませんでした。

PUBLIC CONNECTでは、各官公庁はそれぞれの採用メディアを運営し、コンテンツの発信を行うことができます。求人もこうしたコンテンツの一つだと捉えています。日本全国の人材とつながり、自ら採用メディアの運営を行うことができる点は、PUBLIC CONNECT導入によって大きく変わる点です。

特徴
今後は官公庁の求人を見た際に、その官公庁のPRコンテンツも表示されるなど、採用メディアへの誘導を強めていきます。求人だけではなくその地域や仕事、人の魅力を感じながら応募してほしいという思いを強く持って設計しています。

我々は、将来的に官公庁の採用環境が悪化していくことやその背景、採用PRに注力することの重要性を丁寧に説明しながら、各官公庁を支援しています。

―― 創業のきっかけを教えてください。

これまでのキャリアでは、一貫して公共領域に携わっています。最初は公共領域でも特に、ほぼ全ての人が受ける公教育に関心がありました。公教育を改善することで、貧富の格差や生活の質といった社会課題を変えることができると考え、公教育に関して先進的な事業を展開していたベネッセコーポレーション(以下、「ベネッセ」)に新卒で入社しました。

ベネッセでは地方自治体や教育委員会、学校に向けて教育に関するサービスの提案を行っていました。日常的に官公庁の職員と会う中で、定期異動により、ICTの専門性を持たないにもかかわらず、システムを構築するベンダーとやり取りをしなければならないような職員の様子を日々見ていたんです。

官公庁の定期異動のデメリットを痛感し、官公庁でも民間企業と同様に、必要に応じて専門人材の採用が必要であるという考えがPUBLIC CONNECTの着想のきっかけになっています。

ベネッセに勤めた後は、LINEやDeNAなどの公共領域の事業を展開する複数の企業に転職しました。前職は官公庁や自治体に特化したSaaSを提供するBot Expressに勤め、やりがいを感じていましたが、PUBLIC CONNECTをサービスとして提供することを決めていたため、パブリックコネクトを創業して事業の準備を進めてきました。

身近でひらかれた公共へ

―― 資金調達の背景や使途について教えてください。

ANRIの投資プログラムである「ANRI VORTEX」に関する記事を読み、実際に応募した経緯から、今回の資金調達につながりました。

当初は、Gov2Careerの提供を通じて得たキャッシュを元手に、PUBLIC CONNECTの事業準備を行っていました。徐々に開発を進めていくことを想定していましたが、ANRIのキャピタリストである丸山さんとの面談の中で、「このサービスは世の中にあるべきだ」という一言を受け、社外パートナーの重要性を感じ、資金調達によるスピーディーな事業展開を決意しました。

調達資金をもとに、官公庁の求人やPRコンテンツ制作を支援するカスタマーサクセスや、採用メディアプラットフォームとしてWebライティングや動画制作を行うクリエイティブ人材を中心に、採用を強化していきます。

―― 今後の長期的な展望を教えてください。

資金調達を背景に、2025年3月までPUBLIC CONNECTを無償で提供することを決定しました。この期間内に500団体以上に利用していただき、PUBLIC CONNECTを活用した採用活動をスタンダードにすることを目標にしています。

また、今後4年の間に、採用に限らずサービスの幅を広げていきます。採用後に働く職員の幸せやキャリア形成の支援といった、官公庁が抱える課題を網羅的に解決するようなサービスまで提供する予定です。

Gov2Careerは、公務員出身の方々が多くの選択肢を見つけることができ、求職者が公務員として持つスキルを踏まえた採用活動ができるよう支援します。そのため2024年中には、PUBLIC CONNECTで培ったノウハウを活用し、Gov2CareerもPRコンテンツが充実するメディアプラットフォームとしての側面を強めていきます。

民間企業が公共領域でビジネスを行うことは、ハードルが高くネガティブなイメージを持たれることも少なくありません。しかし、人々の暮らしを変える上で、公共領域に関するサービス提供は非常に重要です。公共と民間企業をつなげ、公共領域の可能性を広げていくために今後も事業展開していきたいと思います。


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