WEB3.0を活用した医療データ流通システムを開発するAIBTRUST、資金調達で開発を加速

WEB3.0を活用した医療データ流通システムを開発するAIBTRUST、資金調達で開発を加速

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WEB3.0で医療情報の流通を支援するAIBTRUSTは、大阪大学ベンチャーキャピタル(OUVC)を引受先とする、総額1.9億円の資金調達を実施した。これにより、OUVCからの累計調達額は総額3億円となる。

同社は、2023年12月に設立された大阪大学発のベンチャー企業だ。WEB3.0技術を活用した独自のスマートコントラクトシステムにより、医療情報の流通をより安全かつ効率的に行うためのプラットフォームを開発している。従来、患者の医療情報は病院や医療機関が管理しており、個人が自由に扱うことは難しかった。同社のシステムでは、患者自身がスマートフォン上で自分の医療情報を管理し、必要に応じて企業や研究機関と共有できる仕組みを提供する。

この仕組みにより、患者は自らの判断でDNA情報や画像データなどを医療・製薬企業へ提供し、その対価を受け取ることができる。これまで個人情報保護の規制によって制限されていた医療データの活用が、個人主導の形で実現できる点が特徴だ。さらに、データのやり取りにはブロックチェーン技術が活用され、情報の改ざんリスクを防ぎながら安全な取引を可能にしている。

2025年1月には、医療機関が患者に安全に医療情報を返却することができるシステム「ヘルスインタビュー」と、返却された情報を患者自身で管理し、AIなどを利活用できるスマートフォンアプリ「メディレコ」をリリースした。

代表取締役の森岡 康一氏は、大学院修了後、ヤフー、Facebook日本法人などでキャリアを積み重ねた。2014年にはKDDIの子会社Supership株式会社を設立し、代表取締役に就任。その後、ヤフー(現LINEヤフー)のデータソリューション部門の統括本部長を務めるなど、デジタルマーケティングやデータ活用の分野に携わる。2023年にLINEヤフーを退任し、2023年12月にAIBTRUSTの代表取締役に就任した。

医療情報の流通と活用は、プログラム医療機器(SaMD)の開発促進や、患者個人が急病時に自身の医療情報を医療機関と共有し、最適な医療を受けることができるなど、医療の質の向上に寄与することが期待される。

今回の資金調達により、AIBTRUSTはシステム開発を加速させ、日本の医療情報流通の課題解決と医療の発展に貢献することを目指す。

画像はAIBTRUSプレスリリースより

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