【ピッチ企業紹介】IVS2023 KYOTO / IVS Crypto 2023 KYOTO開催

はじめに

6月28日から、毎年スタートアップエコシステムに多くの出会いを生み出してきたIVSが京都で開催される。KEPPLEでは、その実施概要について取り上げている。


IVSで行われる日本最大級のピッチイベントが「IVS LAUNCHPAD」だ。次世代スタートアップのためのピッチコンテストとして、2007年の初開催から今年で17年目となる。

これまでの通算エントリーは5000社を超え、登壇企業の中にはその後大型の資金調達をするスタートアップもあり、「スタートアップの登竜門」と呼ばれるほど注目度の高いピッチイベントだ。

今回のIVS LAUNCHPADでは、京都府と連携した「京都府賞」が創設され、受賞特典として、優勝者に最大1000万円を授与する。今年の決勝登壇企業は14社。約400社の中から選出された注目企業ばかりだ。

本記事では、IVS LAUNCHPADに登壇予定のスタートアップ14社について紹介する。

IVS LAUNCHPAD登壇スタートアップ14社

株式会社aba

医療・介護・福祉業界向けにロボティクス技術の研究・商品開発を行う企業。主な製品として、排泄検知センサー「Helppad（ヘルプパッド）」がある。 

Helppadは、パラマウントベッド株式会社との共同開発製品で、においで尿と便を検知する排泄検知センサー。ベッドに敷くだけで排泄物を検知し、おむつ交換のタイミングを通知してくれるので、不快感や便漏れを防ぎ、排泄ケアの負担を和らげることができる。 Helppadを通じ、介護者・要介護者の精神的・肉体的負担の解決を目指す。

株式会社OpenFactory

業務用プリンターやレーザーカッターを使った加工ができる店舗「HappyPrinters」や、オンデマンドプリントサービス「HappyFabric」を運営する企業。 

東京都・南青山にあるHappyPrintersでは、木材・アクリル・金属・立体物にも印刷可能なインクジェットプリンターや、紙・木材・アクリル・革などをカット・彫刻できるレーザーカッターなどが設置されており、加工したい物を持ち込んで使用することができる。 

自身がデザインした生地をHappyFabricのサイト内で販売することもできる。 また、印刷工場向けにオンデマンドプリントサービスを構築できるシステム「Printio」を開発・販売する。

KEEN株式会社

ユーザーコミュニティ活性化SaaS「KEEN Manager」の開発・運営を行う企業。 KEEN Managerは、企業のサービスを利用するエンドユーザーの活動情報を収集・分析し、自社のサービスに興味を持ち他者への発信力のあるユーザーを発掘することで、新規ユーザーの獲得や既存ユーザーの理解度向上を支援するマーケティングツール。

同サービスは、SNSや企業データなどのさまざまなツールやインターネット上に散在するエンドユーザー個人の情報をもとに、ユーザーの活動傾向に応じたレコメンドや施策の提案を行う。

ジーフィット株式会社

高度なAIによる外国為替に関するさまざまな課題をトータルで解決するクラウドサービス「トレーダム　為替ソリューション」を提供する。為替相場の変動予測を基に適切に為替リスクをコントロールし、自社の為替予約状況の管理からガバナンス強化まで、海外取引に関する課題を解決する。

また海外取引のある企業向けに、為替に特化した情報コミュニティ「トレーダム コミュニティ」を運営する。

株式会社Stroly

オンライン地図プラットフォーム「Stroly」の企画・開発・運用を行う企業。 法人事業におけるエリアブランド発信および自社企画発信をスマートフォン向けに行っている。

地図画像のアップロード、緯度・経度情報の対応付け、おすすめの店舗やスポットの「ランドマーク情報」追加をStrolyエディターで行うことで、簡単に地図を公開できるのが特徴。

株式会社SPeak

海外から日本に来た留学生向けに、新卒での就職活動を支援するサービス「JPort」を運営する企業。 留学生を採用したい企業は利用料を払って登録し、留学生とマッチングする。

有名大学で学ぶ日英バイリンガル学生のインターンや新卒、および第二新卒層に向けた採用広報、母集団形成、候補者と直接つながれるサービス「JPort Match」も提供する。

SecureNavi株式会社

ISMS認証取得支援ツール「SecureNavi」を提供する。 SecureNaviは、ISMS認証取得に必要な情報をクラウドサービス上で集約・管理することができる。

同サービスでは、ISMS認証取得までに必要な取り組みを記したガイドや各取り組みの解説動画などを備えるほか、ISMS認証取得に必要な従業員のセキュリティ教育や、業務委託先企業へのセキュリティチェックなどを半自動化できる機能やタスク管理機能も備える。

タッチスポット株式会社

営業DXツール「CEOclone」を開発する。CEOやトップセールスマンの質の高い商品・サービス説明を、URL1つですべての顧客に届けることができ、顧客の視聴状況を管理画面で確認することが可能だ。

また、同社はAIを活用したインタラクティブ動画広告サービス「TouchSpot」を提供している。 TouchSpotは、動画をタップ可能にすることで、視聴者に対してより理解の深まる動画体験を提供する。

テープス株式会社

EC事業者が日々の業務で利用するさまざまなサービスの機能を自由に組み合わせ、プログラミングの知識や経験がなくても、自社独自の業務を自動化するツールをつくることができるノーコードツール「TēPs（テープス）」を提供する。プログラミングなしで複数のシステムを連携できる。クリック操作のみでモール・カート間の各種データを同期したり、各店舗の売り上げ状況をリアルタイムで管理することが可能だ。

2021年5月にサービスを開始して以来、順調にユーザーを増やし、2022年12月末時点で、約500社以上が利用する。2023年1月には、New Commerce Venturesが運営するコマース領域特化型VCファンド「New Commerce Explosion 投資事業有限責任組合を引受先とした第三者割当増資により、約5000万円の資金調達を実施している。

パナリット株式会社

企業の組織構築や人事に関する支援サービス「パナリット」を運営。 パナリットは、人事データの統合から活用までを自動化でき、人事経験の浅い担当者をサポートする。組織の現況把握や将来予測を支援する。

同社は2021年に、D4Vや千葉道場ファンドなど複数の投資家より、シードラウンドで約3.3億円の資金調達を実施した。

株式会社Poetics

音声・言語解析AIおよび商談解析AI「JamRoll」を開発・提供する。同社は、音声感情解析AI事業からスタートし、音声認識、自然言語処理など音声・言語領域のAI開発を推進してきた。これらの技術を用いた商談解析AIのJamRollは、IP電話やオンライン商談の自動録音・録画、文字おこしを行い、音声・感情AI解析で顧客との会話を全て可視化する。2022年6月の正式販売開始以来、順調に成長をつづけている。

同社は2023年4月に、音声感情解析AI事業「Empath」を株式会社シーエーシーに事業譲渡を実施。それに伴い5月に株式会社Empathから株式会社Poeticsへの社名変更を発表した。

Lypid

植物肉を本物の肉のような味わいにする代替油脂「PhytoFat」を開発。Lypidの製法と技術により、ジューシーな動物のような食感と溶けるような特性を持ち、風味の伝達が長く、他の植物由来の脂肪よりも栄養的に優れたビーガン用脂肪を製造することができる。

Lecto株式会社

債権回収支援サービス「Lectoプラットフォーム」を運営する。 同社は、債権の管理など督促業務を自動化・効率化している。 

代表取締役の小山裕氏は連続起業家で、Lectoは4社目の起業となる。過去には保証・決済サービスのGardia株式会社などを創業した。

レコテック株式会社

製造業者が自社製品に活用するために必要な、トレーサビリティなどの情報を提供する資源循環プラットフォーム「POOL」を開発する。

POOLはごみの発生から運搬、リサイクルの過程で、スマホやタブレットで簡単に情報連携することで、リサイクル材を活用する上で欠かせないトレーサビリティ情報やCO2排出量情報を提供する。

おわりに

IVS LAUNCHPADにて優勝をつかみ取るのはどのスタートアップか、各社の熱のこもったプレゼンに期待が高まる。IVS LAUNCHPADの結果はKEPPLEにて速報でお届けする予定だ。