(2022年5月9日週) 海外資金調達 Weekly <Seed&Early編> 不安定な暗号通貨市場を横目に暗号通貨の利用を支える企業の資金調達は継続

(2022年5月9日週) 海外資金調達 Weekly <Seed&Early編> 不安定な暗号通貨市場を横目に暗号通貨の利用を支える企業の資金調達は継続

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KEPPLE編集部


この記事では、5月9日週に資金調達が報道されたシード・シリーズA・シリーズB(それぞれプレラウンドを含む)の企業を調達額順に紹介します。

シード第1位 MARA(資金調達額2,300万ドル)

シードラウンドでCoinbase Venturesなど約100の投資家から2,300万ドルを調達したMARAはケニアに本拠地を置くクリプトプラットフォームです。今年7月にも暗号通貨・フィアット通貨の売買・送金・引出が可能な仲介アプリMARA Walletをナイジェリア・ケニアでローンチし、その後は分散型アプリ構築のためのレイヤー1ブロックチェーンであるMARA Chain、フル機能な取引・分析ツールを備えたPro-Exchangeを開発・運営することを予定しています。

世界各国で暗号通貨の利用は大きく伸びており、ChainAnalysisのレポートによると、サブサハラ地域における、暗号通貨市場は金額ベースで昨年1,200%の成長を見せたといいます。(※1)

今回の資金調達と同時に、Maraは先日ビットコインを法定通貨に採用すると発表した中央アフリカ共和国との提携もアナウンスしました。中央アフリカ共和国の公式クリプトパートナー兼クリプト戦略企画の大統領に対するアドバイザーとなります。


シード第2位 GetHenry(資金調達額1,740万ドル)

シードで1,740万ドルを調達したGetHenryはラストマイル配送・物流企業向けにe-bikeのサブスクリプション、ファイナンス、メンテナンス、車両管理ソフトウェアサービスを組み合わせたソリューションを提供しています。

同社はGORILLAS、Lieferando.de、JOKR、mjam、Wolt、Flinkなどとパートナーを組んでおり、2021年11月には同社を通じてGORILLASが1200台のe-bikeのリニューアルを行いました。(※2)WoltやDelivery Hero傘下のmjamはライダー向けにGetHenryのサブスクを提供しています。

同様のサービスを提供する企業として、米国のZoomo、JOCO等があります。



シリーズA第1位 Carma(資金調達額5,200万ドル)

シリーズAの調達で調達額が大きかったのはオンライン中古車販売プラットフォームを運営するCarmaです。Carmaは自身がオークションやディーラーなどから仕入れた中古車を完全オンラインで販売し、配送する会社であり、販売時にはカーファイナンスも提供しています。

同様のモデルは、それぞれ2017年・2020年に米国でIPOに成功したCarvanaとVroom、カナダの Clutch(2021年11月8,000万ドルをシリーズBで調達) と Canada Drives(2021年8月7,940万ドルをシリーズBで調達)、メキシコの Kavak(2021年9月に7億ドルをシリーズEで調達、当時評価額87億ドル)、英国の Cazoo(2021年SPAC上場、当時評価額70億ドル)、インドのSpinny(昨年11月に2.8億ドルをシリーズEで調達、当時評価額17.5億ドル)など、世界各地で成功事例が出てきています。


シリーズA第2位 BVNK(資金調達額4,000万ドル)

シリーズAで4,000万ドルを調達したのは暗号通貨を活用する企業のための銀行業務・決済サービスを提供するBVNKです。同社はクリプト通貨、法定通貨両方にまたがった銀行業務や決済のためのユニバーサルAPI、国際送金サービスを提供しており、次世代金融インフラの構築を目指しています。

同社によると、月次決済額は急速な伸びを見せており、1月から現時点で倍増しました。現在の年間処理額は20億ドルに上るといいます。(※3)


シリーズB第1位 Supabase(資金調達額8,000万ドル)

シリーズB1社目はGoogleのFirebaseに代わるオープンソース版のBackend-as-a-Serviceを運営する企業Supabaseです。同社はデータベースやストレージ、本人認証サービス、Function-as-a-Serviceといったプロダクト構築に必要なバックエンドサービスを提供しています。

同社は昨年急速に成長し、現在では8万人以上の開発者がこのサービス上で10万以上のデータベースを作成しており、この12ヶ月で1900%の成長を遂げているとのことです。(※4)


シリーズB第2位 BrightSeed(資金調達額6,800万ドル)

シリーズBで6,800万ドルを調達したBrightSeedは植物化合物をAIで識別・分類する分析プラットフォーム「Forager」を開発・運営しています。同社HPによると、これまで科学的に知られていた植物化合物は10万種類にすぎませんでしたが、Foragerはローンチ以来その10倍以上となる150万の植物化合物のマッピングを行ってきました。

現在ではDanoneやAmway、Pharmavite、Ocean Sprayなど世界有数の食品、食材、サプリメントブランドと提携し、植物性の生物活性物質を用いた健康の増進に取り組んでいます。



ラウンド別の主要案件は下記のとおりです。


※1
https://blog.chainalysis.com/reports/africas-grassroots-cryptocurrency-adoption/
※2
https://gorillas.io/en/blog/gorillas-is-renewing-its-fleet-with-1-200-e-bikes
※3
https://bvnk.com/blog/the-future-of-business-banking-and-payments-starts-here
※4
https://techcrunch.com/2022/05/10/supabase-raises-80m-series-b-for-its-open-source-firebase-alternative/


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