2.2億円調達のパートナーサクセス株式会社がつくる、「パートナーサクセス」という新たな概念

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KEPPLE編集部


PartnerSuccess」を運営するパートナーサクセス株式会社がプレシリーズAラウンドにて、第三者割当増資による約2.2億円の資金調達を実施したことを明らかにした。

今回のラウンドでの引受先は、既存株主である株式会社Coral Capital、ALL STAR SAAS FUND、新規株主であるグローバル・ブレイン株式会社、B Dash Ventures株式会社の4社。

今回調達した資金は、人材採用などによる開発組織の拡大やサービスの機能拡充に充て、ベンダー(メーカー)と代理店(パートナー)の利用体験向上を目指すとしている。

ベンダーとパートナーの良好な関係構築を目指して

パートナー販売(※1)チャネルはグローバル企業を中心に主流になっており、約80%のプロダクト企業が活用していると言われている。日本市場でも、パートナー販売チャネルが拡大しているにも関わらず、煩雑・アナログなコミュニケーションによる管理コストの増大やパートナーとの良好な関係構築ができず、成果を出しにくいという状況が課題となっている。

パートナーサクセス株式会社は、「アライアンスをハックする」をミッションに、このような課題を解決するため国内でPRM(※2)を提唱し、ベンダー(メーカー)と代理店(パートナー)の良好な関係構築と管理コスト削減が可能な代理店連携管理クラウドシステム「PartnerSuccess」を開発・運営している。

(※1)外部のビジネスパートナーにベンダー(メーカー)が展開する商品やサービスを販売する権利(販売権)を与え、ベンダー(メーカー)の代わりに販売、営業を行ってもらう仕組み
(※2)PRMとは「Partner Relationship Management」の略で、ベンダー(メーカー)と代理店(パートナー企業)の関係を最大化するためのビジネス戦略手法

その特長は、パートナー販売に長年携わったメンバーが数百社のパートナープログラムをインタビューしたうえで、その内容と知見を言語化・体系化し、「パートナーサクセス」の概念を構築し続けていることである。パートナー企業のデータベース構築、資料や商品情報の一括配信、案件進捗・報酬の一元管理などを実現させ、円滑なコミュニケーションによるパートナーの稼働率向上をサポートしている。

PartnerSuccessは、2022年1月に正式版リリース後8ヶ月で導入企業411社を突破し、20の業界の大企業で活用されている。ネットワーク外部性を取り入れ、SNSのように招待されることで利用できるような仕様にすることで、一気に導入企業数を増やしてきた。導入企業のマネーフォワードは、コミュニケーション管理コストを77%削減し、作業効率を2倍に上げ、ROIの最大化を実現した。料金体系としては、プロダクトベンダーは月額10万円から、パートナー企業は基本無料で利用できるサービスとなっている。

代表取締役CEO 永田雅裕氏に、今後の展望などについて詳しく話を伺った。

スタートアップスカウト

―― PartnerSuccessを始めようと思ったきっかけを教えてください。

永田氏:私は今回二度目の起業です。元々は代理店営業の現場からキャリアをスタートし、ベンダー側とパートナー側の両方の立場を経験しています。29歳の時に1社目を立ち上げ、Googleやリコーなど大企業の代理店制度の構築を手掛けつつ、代理店事業で売り上げを立てていました。実は、Googleストリートビューでお店の中まで見られる「インドアビュー」の機能は私が日本で広めたのです。

創業から3年間で傘下に約400社の代理店が入り、一気に1万施設くらいに導入しました。Googleのパートナーは30ヵ国に3000社いますが、その中でも私たちの会社がベスト5になり、世界各国のサミットにも呼ばれて足を運んでいました。その関係で、様々なメーカーやベンダーから商品を売って欲しいとよく声を掛けていただいたのですが、全てを扱うことはできませんでした。

何かお役に立てないかと考えていたところ、代理店とのコミュニケーションや管理がブラックボックス化してしまって、パートナー活用における勝ちパターンが見いだせないという状況を多く拝見しました。大企業は年間数億円をかけてシステムを作っていますが、それができる会社はかなり限られています。欧米で流通しているようなパートナー管理ツールは日本ではローカライズされておらず、多くの会社は一生懸命Excelの表計算を使っていたため、自分たちで作ろうと起業を決めました。



―― 今後の展望を教えてください。

長期的には、多様なパートナーのデータベースを構築しながらデジタルで商品を流通させていく新しい形を作り、ユニークなポジションを確立させていきたいと考えています。そして、年内には導入企業数1000社を目指しており、ゆくゆくは1兆円規模の企業へと成長させていきたいです。

今後の展望としては、これまでのパートナーとベンダー、このマッチングの仕方を大きく変えていこうと考えています。これまでは、ベンダー側がパートナーを募集し、そこに対してパートナー企業がエントリーする形でした。しかしこれでは、実際に契約を結び、代理店となるパートナー企業が動きはじめないと、営業力などのポテンシャルはわかりません。そこで弊社のツールでは、独自の信用スコアを作り、高評価のパートナー企業にピンポイントにスカウトアプローチできる仕組みを考えています。PartnerSuccess上で信用スコアを上げることで、直接ベンダーと繋がれるチャンスがどんどん増えていく世界を作っていきたいのです。


カスタマーサクセスの次は、パートナーサクセス

「パートナーサクセス」という概念を作ることにもチャレンジしています。これまでの代理店営業は、多重下請け構造でベンダーから一方的にコミュニケーションが行われるのが当たり前でした。しかし、物を作ったら売れるという時代はもう終わり、これからのベンダーメーカーは、パートナー企業をいかに成功へ導けるかという姿勢が求められています。

カスタマーサクセスの次は、パートナーサクセスという職種が今後広がると考えており、アメリカでは、PRMのマーケットは2020年時点で1.5兆円規模に成長していて注目されています。すでに職種としても4万件以上の求人募集が出ています。一方、日本ではまだこのマーケットができていません。そこで、我々が日本国内唯一のPRMカンパニーとして、「アライアンスをハックする」をミッションに、このパートナービジネスのDXでマーケットを作っていくことを目指します。

PartnerSuccess 活用シーン紹介動画はこちら

パートナーサクセス株式会社

パートナーサクセス株式会社は、メーカーと代理店の連携に関する事務作業の自動化サービス『PartnerSuccess』を運営する企業。 『PartnerSuccess』は、商品登録をすることで、販売代理店取り扱い商品を一元管理。受発注の効率化を図り、販売代理店の企業情報や契約更新時期、販売代理店毎に商品金額や支払い報酬金額を設定できる。月末月初の請求データ作成業務も効率化できる。

代表者名永田雅裕
設立日2019年9月20日
住所東京都渋谷区松濤1丁目28番-2
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