日銀の金融政策が成長株の焦点、大型の未上場株式調達が戻る
マンスリーレポートでは、前月の日本のスタートアップ動向を振り返る。上場企業では、成長著しい企業が多いものの、日経平均などに比べて取り上げられる機会が少ない東証マザーズ/グロースに着目している。未上場企業では、大型の資金調達をピックアップしていく。
上場企業の動向
7月のマザーズ指数は、4.7%下落し、上昇したTOPIXやS&P500とは対照的な動きとなった。日銀の長期金利上限拡大により、成長銘柄に警戒感が持たれた。また、6月のパフォーマンスが堅調だった反動もあったと考えられる。
東証グロースの主要銘柄の中では、売上が約2.3倍になったM&A総合研究所が5%上昇した。同業の日本M&Aセンター(26%下落)、M&Aキャピタルパートナーズ(12%下落)、ストライク(13%下落)とは対照的な動きである。ただ、日本M&Aセンターが減収減益の決算を直近発表したこともあり、8月に入って、中小M&A業界動向に警戒感が出ている。6月に40%上昇したカバーは12%下落しており、直近急騰した銘柄に売りが集中した可能性がある。
次に前月の東証グロース構成銘柄の騰落率ランキングを見ていく。