グロース銘柄が大型株に対する出遅れ感解消、UPSIDERが他企業にもベンチャーデットを広げる予定
マンスリーレポートでは、前月の日本のスタートアップ動向を振り返る。上場企業では、成長著しい企業が多いものの、日経平均などに比べて取り上げられる機会が少ない東証マザーズ/グロースに着目している。未上場企業では、大型の資金調達をピックアップする。
上場企業の動向
6月のマザーズ指数は、9.1%上昇し、TOPIXや日経平均のパフォーマンスを上回った。5月号のレポートでは、大型株に比べたマザーズ指数の出遅れを指摘したが、マザーズの割安な点やAIなどのテーマに着目した買いが入ったと思われる。中国の地政学リスクや日銀の金融緩和継続などに伴う海外投資家による日本株買いが中小型株にも波及している。
東証グロースの主要銘柄の中では、3月に上場したVTuberプロダクションのカバーが40%上昇し、グロースの時価総額ランキングで4位(7/4時点)になった。6月にプライム市場に移行した同業のANYCOLORも24%上昇しており、VTuberのテーマが注目を集めた。また、3月号のレポートでカバーのIPOを取り扱った際は、売上が同程度であるにも関わらず、ANYCOLORの時価総額が倍であったため、カバーが割安に感じた投資家がいたと考えられる。
次に前月の東証グロース構成銘柄の騰落率ランキングを見ていく。