マンスリーレポートでは、前月の日本のスタートアップ動向を振り返る。上場企業では、成長著しい企業が多いものの、日経平均などに比べて取り上げられる機会が少ない東証マザーズ/グロースに着目している。未上場企業では、大型の資金調達をピックアップする。
上場企業の動向
8月のマザーズ指数は、2.2%下落した。下げ基調だった指数は、後半で回復が見られ、米国債の価格と連動していたとみられる。8月前半は、好調な米国経済を背景に金融引き締めが長期化することが懸念された。ただ、8月後半に入ると、ジャクソンホール会議で金融引き締めの長期化を示唆する内容が少なかったこともあり、株式への買いが進んだ。昨年の同会議後の株価下落のトラウマがあった投資家にとって、安心感の広がるものであった。
東証グロースの主要銘柄の中では、来年度以降の月面探査プログラムの推進に言及したispaceが17%上昇した。決算発表翌営業日、赤字が拡大したフリーは12%下落した一方、営業利益の上振れ余地を示したHENNGEは18%上昇した。利益向上を伴わない売上成長は評価されにくくになっている。
次に前月の東証グロース構成銘柄の騰落率ランキングを見ていく。