糖ペプチドを創薬標的として抗体医薬品を開発する遠友ファーマは、シードラウンドにて第三者割当増資による、総額4億円の資金調達を実施したと発表した。
今回のラウンドでの引受先は、京都大学イノベーションキャピタル、大鵬イノベーションズ、DGインキュベーション、北海道共創パートナーズの4社。
また、新たに社外取締役として京都大学イノベーションキャピタルの辻村剛志氏、大鵬イノベーションズの森文隆氏が就任した。
同社は、北海道大学先端生命科学研究院の西村紳一郎教授の糖鎖工学技術を基盤に、2019年12月に設立された北海道大学発のスタートアップである。糖ペプチドを新たな創薬標的とし、癌や自己免疫疾患、認知症など、従来の治療法が限られていた疾患に対する高い選択性を持つ抗体医薬品の開発を目指している。
代表取締役社長の安井 忠良氏は今回の資金調達について「投資各社に感謝するとともに、当社の技術を医薬品開発へ応用し、より効果の高い抗体医薬品を早期に提供するため尽力していく」とコメントしている。
近年、バイオ医薬品市場は拡大傾向にあり、特に抗体医薬品は高い特異性と効果を持つことから注目されている。しかし、従来の抗体医薬品では標的とする抗原の選択肢が限られており、新たな標的の探索が課題となっていた。遠友ファーマの糖ペプチドを標的とする技術は、この課題に対する新しいアプローチとして期待される。
同社は、北海道大学の「北大発認定スタートアップ企業」や「J-Startup HOKKAIDO」にも選定されている。
今回の資金調達により、同社は技術の実用化を加速させ、幅広い疾患に対する新たな治療法の提供を目指すという。
画像は遠友ファーマHPより