株式会社VARIETAS

AIを活用した面接官を開発・提供するVARIETASは、シリーズAラウンドにて、第三者割当増資による6億円の資金調達を実施したと発表した。引受先は、ALL STAR SAAS FUNDとグローバル・ブレインの2社。今後、2ndクローズとしてデットファイナンスによる追加調達を予定しており、機能強化や導入企業の拡大を進める。
同社は、採用候補者と採用担当者双方のポテンシャルを最大限に引き出すことを目的とし、AIを活用した面接プラットフォーム「AI面接官」を提供している。このサービスは、AIがエントリーシートを読み込み、一次面接を担当し、経済産業省が定める社会人基礎力の能力要素を多角的に評価する。従来の面接では見極めが難しかった候補者の潜在能力や適性を把握し、公平な初期選考を実現する。
現在、AI面接官はキリンホールディングス、ローソン、三菱ケミカル、出光興産、横浜銀行、ミサワホーム、福山通運、そごう・西武などで導入されており、採用現場で活用が進んでいる。
代表取締役社長の木下 隆太朗氏は、大学卒業後、リクルートに入社し、「スタディサプリ」事業の営業部隊立ち上げに従事。その後、エムスリーに転職し、バイオテック関連子会社の事業再生や子会社経営に役員として従事した。2019年12月にVARIETASを設立し、代表取締役を務める。
近年、大手企業への応募が集中し、書類選考で落とされる候補者が増えている。ジョブ型採用の加速により、候補者は適性を伝えにくくなり、ミスマッチも生じやすい。さらに、生成AIの普及でエントリーシートが均質化し、面接では慣れた候補者が有利になりやすい。一方、人事は多様な採用要件に対応しつつ、公正な選考を求められる。しかし、属人的な判断が課題だ。こうした課題を解決するため、候補者の能力を適正に評価する採用手法としてAI面接市場は急成長を遂げており、2022年の世界市場規模は約6億540万米ドル、2030年には約10億1910万米ドルに達すると予測されている。
今回の資金調達を通じて、AI面接官の質を向上させ、機能強化や導入体制の強化、さらなる研究開発を進める方針だ。
AIを活用した採用手法は、候補者全員に平等な機会を提供し、データに基づいた透明性の高い採用を実現する可能性がある。VARIETASの取り組みは、今後の採用活動の在り方に大きな影響を与えることが期待される。
画像はVARIETAS プレスリリースより