100万量子ビット級を見据える──光量子コンピュータのOptQC、70億円調達

100万量子ビット級を見据える──光量子コンピュータのOptQC、70億円調達

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光量子コンピュータを開発するOptQC株式会社は、シリーズA2ラウンドで総額70億円を調達したと発表。NTTをリード投資家とし、キヤノンマーケティングジャパン、京セラ、島津製作所、KDDI、三菱電機、ANAホールディングスなどの事業会社に加え、グローバル・ブレイン、デライト・ベンチャーズ、国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)などが投資家として参加した。 

2025年のシードラウンド、シリーズA1と合わせた累計調達額は91.5億円となり、補助金を含めると200億円を超える。

OptQCは2024年設立のディープテックスタートアップだ。東京大学大学院工学系研究科・古澤研究室の研究成果を基盤に、光量子コンピュータの研究・開発を進めている。

量子コンピュータには、超伝導、中性原子、イオントラップ、シリコン、光など複数の方式がある。OptQCが取り組む光量子方式は、光を量子情報の担体として利用する方式で、常温・常圧で動作できることや、光通信技術との親和性が高い点を特徴とする。同社はこうした特性を生かし、大規模化と実用化の両立を目指している。

同社は2026年7月、安定動作を重視した第1世代機を、産業技術総合研究所(AIST)内の量子・AI融合技術ビジネス開発グローバル研究センター(G-QuAT)で稼働開始した。今後は、高速・大規模化を重視したモデルを経て、量子ビット※1や量子アルゴリズム※2を本格的に扱うモデルへと段階的に開発を進める計画だ。次世代機では計算性能を現行機の100倍規模に引き上げ、1万量子ビット規模を目指している。

今回調達した資金は、次世代光量子プロセッサの研究開発と人材採用に充てる。量子ビット数の拡張や、常温・常圧動作を維持したままのスケールアップを進めるほか、量子光学、電気回路、機械工学、制御工学、ソフトウェアなどの研究開発人材と、事業開発人材の採用を強化する。

また、OptQCはNTTと資本業務提携契約を締結し、協業関係を強化している。NTTとの共同ロードマップでは、2030年度までに誤り耐性※3を備えた100万量子ビット級光量子コンピュータの実現を目指す。

※※量子:原子や電子、光子などの微小な世界で現れる、量子力学に従う状態や現象。重ね合わせや量子もつれといった、通常の物体には見られない性質を持つ。

※1 量子ビット(qubit):量子コンピュータで情報を扱う基本単位。通常のコンピュータの「ビット」が0か1のどちらかを表すのに対し、量子ビットは0と1の重ね合わせ状態を扱える。

※2 量子アルゴリズム:重ね合わせや量子もつれなど、量子力学特有の性質を利用して計算するための手順。特定の問題では、従来のコンピュータより高速に処理できる可能性がある。

※3 誤り耐性:量子ビットに生じるエラーを訂正しながら計算を継続できる仕組み。

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