【ピッチ企業紹介】LAUNCHPAD SEED 2024開催

教育機関向けデジタルプラットフォームを展開するManabie Internationalは、シリーズBラウンドで約33億円の資金調達を実施。累計調達額は約60億円に達した。今回のラウンドでは、JICベンチャー・グロース・インベストメンツがリード投資家を務め、三菱UFJキャピタル、ヒューリック、増進会ホールディングスなどが参加した。新たに得た資金は、日本および東南アジア市場でのプロダクト開発と組織拡充に充てられる。
Manabieは2019年に設立されたEdTechスタートアップで、創業者は本間拓也氏(代表取締役CEO)およびChristy Wong氏(CFO)。本間氏は英国発のオンライン学習サービス「Quipper」の共同創業者としてグローバル展開やリクルートグループへの売却を経験した経歴を持つ。Christy Wong氏は東南アジアのECプラットフォームLazada(現アリババグループ傘下)の創業メンバーであり、両名とも教育とテクノロジー両分野における豊富な経験を有している。
同社が提供する主力サービスは、学習塾や私立学校、大学など幅広い教育機関向けに設計されたSaaS型プラットフォームである。学習管理(LMS)、教材・コンテンツ管理、コミュニケーション、請求管理などの機能を一体化し、校務や教務の基幹業務を効率化する点が特徴だ。従来、教育現場では複数のシステムやツールの併用によるデータの分断、作業負担の増加が課題となってきたが、Manabieはこれらを統合し業務のデジタル化を後押ししている。また、ベトナムでは自ら学習塾を運営し、現地の教育現場に根ざしたサービス開発にも取り組んでいる。
プロダクト開発の現場では、成績管理や教材配信、保護者対応など多様なタスクの一元管理に加え、学習履歴の蓄積や進捗管理、弱点分析といったLMS機能の強化も進んでいる。さらに、生成AI技術を活用した「AIチューター」機能の開発も進行しており、24時間の自動応答や個別最適化支援といった教師不足対策にも取り組む。同社は日本、シンガポール、ベトナム、フィリピンにまたがる約150名の開発・運用チームを構築しており、現場教員との連携を重視した体制が特徴とされる。
教育分野のデジタル化は、パンデミック以降、国内外で加速している。日本ではGIGAスクール構想の推進により、教育機関でのICT導入が進む一方、複数のシステム併用による非効率性やシステムの老朽化が課題となっている。アジア地域では、教育費の高騰やオンライン学習の需要増を背景に、教育ICTへの関心が高まっている。
競合としては、日本国内においてClassiやベネッセの「まなびポケット」、Arcterusの「Clear」などがLMS市場において展開しており、校務システム分野ではSky、EDUCOM、EDJAPANといったベンダーが存在感を示している。海外ではGoogle ClassroomやMicrosoft Teams for Educationが主要な選択肢となっている。
今後は、日本市場における多様な教育機関への対応強化と、東南アジアでの教室ネットワークの拡大を通じて、日本式の教育運営ノウハウを活かした地域展開を進める構えだ。
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