歯科業務DXのエミウム、約6億円を調達ー業界が抱える人手不足・非効率の課題解決へ

歯科業務DXのエミウム、約6億円を調達ー業界が抱える人手不足・非効率の課題解決へ

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歯科業務DXを支援するエミウム株式会社は、Beyond Next Ventures、三菱UFJキャピタル、あおぞら企業投資、DNX Venturesを引受先とし、総額約6億円の資金調達を実施(第三者割当増資)。​累計調達額は9億円となった。

同社は、2023年11月に東京医科歯科大学発ベンチャーに認定。2024年10月には東京医科歯科大学と東京工業大学の統合に伴い、東京科学大学認定ベンチャーとなった。

2020年の創業以来、歯科医療・歯科技工のデジタル化を推進しており、クラウド型基幹業務システム「エミウム クラウド技工」を提供している。​このシステムは、電子技工指示書、受注処理、ラボ間取引、帳票管理、入金管理、工程管理、在庫管理、チャット機能など、歯科技工の基幹業務を包括的にサポートする。​また、CAD設計・デジタル製造サービス「エミウム 技工センター」も展開しており、ネットでの簡単な発注により、技工物製作の作業時間や残業時間の短縮を実現している。

代表取締役の稲田 雅彦氏は、大学院で人工知能を研究後、博報堂に入社。データサイエンスやマーケティング領域の事業立ち上げを手掛けた。2013年に3Dプリンティングを活用した製造プラットフォーム企業カブクを創業し、2017年に東証一部上場企業によるM&Aで連結子会社化。2019年からはDNX Venturesでスタートアップ支援に携わり、2020年11月にエミウムを設立した。

稲田氏は、「今回の資金調達を機に、プロダクト開発や人材採用をさらに加速させることで、歯科医療における生産性向上と新たな価値の創出につながるサービスを一層充実させていく所存です。チーム一同、歯科業界の課題解決と価値創出に向けて全力で挑戦を続け、業界全体の発展に貢献できるよう努めてまいります。」とコメントしている。(一部抜粋)

歯科業界では、口腔内スキャナーやCAD/CAMシステム、3Dプリンターなどのデジタル技術の活用が進んでいる一方で、歯科技工士の減少が課題となっている。​厚生労働省によると、国家試験合格者数は最盛期の30%程度に低下しており、人材確保が深刻な問題だ。​このような状況下で、エミウムの提供するデジタルソリューションは、業務効率化、生産性向上、人手不足といった業界課題に貢献すると期待されている。

今回の資金調達により、AIを搭載したクラウドソフトの深化、FinTechの組み込み、調達支援サービス、HRテックとの融合など、多角的なサービスを展開する予定である。その実現に向けて、開発力の強化に加え、採用や組織体制の充実にも積極的に投資し、さらなる事業拡大を図る方針だ。

画像はエミウムプレスリリースより

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