ライフイズテック株式会社

次世代デジタル人材育成を手がけるライフイズテック株式会社が、UntroD野村クロスオーバーインパクトファンド(XIF)を新たな引受先とし、シリーズEラウンドにおいて総額25億円の資金調達を実施した。
今回の調達は、第三者割当増資とセカンダリー取引を組み合わせた形で行われている。生成AI分野での事業強化を目的に、LINEヤフーで生成AI統括本部長を務める宮澤弦氏をアドバイザーに迎えたこともあわせて発表された。
ライフイズテックは2010年設立。主に中学生・高校生を対象としたプログラミング・IT教育を提供し、社会人や大学生向けのデジタル人材育成プログラムも展開している。事業の柱となっているのは、全国約4400校超、で導入されているクラウド型情報学習教材「Life is Tech! Lesson」や、春・夏・冬休みに実施されるITキャンプ・スクール、自治体と協働した地域人材育成プログラム、企業向けDX研修、大学生メンター育成など多岐にわたる。プログラミングやAIをつくる体験を通じて学べるカリキュラム設計が特徴であり、これまでに累計200万人以上の学習者が同社サービスを利用した実績がある。
代表取締役CEOの水野雄介氏は、大学院在学中に開成高等学校の物理非常勤講師を2年間務めた後、人材コンサルティング会社を経て、2010年にライフイズテックを創業した。シリコンバレーIT教育法をモチーフとした中高生向けIT教育プログラム「Life is Tech!」を立ち上げた。
教育分野では、デジタルスキル教育への社会的な関心が高まっている。2020年からは小中学校でプログラミング教育が必修化され、2025年度には大学入学共通テストに「情報Ⅰ」が新設されるなど、制度面でも変化が進む。こうした背景から自治体や教育機関、民間EdTech企業による教材・サービス開発が活発化しているが、地域による教育環境の格差や教員のIT指導力、教材導入コストといった課題も指摘されている。EdTech業界ではCodeCamp、プロゲート、Qubenaなどが個人や学校向けのプログラミング学習サービスを展開しており、競争が進んでおり、今後も拡大傾向が続く見通しだ。
業界全体では、Society5.0やデジタルトランスフォーメーション(DX)の流れを受け、教育とAIの融合分野が国内外で成長分野と見なされている。生成AI技術の普及により、学習の個別最適化やパーソナライズが進む一方、技術導入と同時にセキュリティや個人情報保護の重要性も指摘されている。教育現場での技術活用が持続的な成果につながるかどうかが今後の論点となっている。
今回調達した資金をもとに、学校向けクラウド教材事業および企業向けDX研修事業の拡大、AIを活用した教育分野でのサービス開発を進める予定である。今後も、教育とテクノロジーの力で、世界をより良い方へと変え、次世代の育成と活躍を加速する方針だ。