2.5次元IP事業のBlackbox、7500万円を追加調達ーーVTuberグループ拡充と新IP創出へ

2.5次元IP事業のBlackbox、7500万円を追加調達ーーVTuberグループ拡充と新IP創出へ

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2.5次元IPのプロデュース・マネジメントを手がける株式会社Blackbox、ニッセイ・キャピタル、ANOBAKAを引受先とした、シードラウンドのセカンドクローズで7500万円の資金調達を実施した。これにより累計調達額は1.5億円となった。

2021年設立のBlackboxは、2.5次元IPのプロデュースやマネジメントを主事業とし、リアルとバーチャルを横断するVTuberグループの育成・運営を手がけている。主なグループには「らびぱれ!!」や「クインテ」があり、ライブイベントやコンテンツ制作、楽曲リリースなどを通じて、バーチャルとリアルが融合したファン体験の提供を進めている。今後も新グループの立ち上げや既存グループの拡充が計画されている。

IPごとの世界観やキャラクター設計を重視しつつ、複数の配信チャネルやリアルイベント、商品展開を組み合わせたファンコミュニティの形成を図っていることが特徴だ。

代表取締役CEOは坂本龍優氏が務める。坂本氏は、「今回の資金調達により、Blackboxが掲げる「どこでも会える、ここでも会える。」というミッションのもと、ファンの皆様に唯一無二の体験をお届けする挑戦を、さらに加速させてまいります。また、『らびぱれ!!』に加え新たに誕生した『クインテ』という才能あふれる新グループも仲間に加わり、ライブイベントや楽曲制作など現実と仮想を自在に行き来する体験を通じて、より多くの心に残る出会いを創出してまいります。」とコメントしている。(一部抜粋)

VTuberや2.5次元IP市場はここ数年で国内外ともに拡大が続いている。矢野経済研究所によると、2023年度のVTuber市場規模は、前年度比153.8%の800億円となり、2025年には1260億円と予測されている。一方で、安定した収益モデルの確立や人材育成、IP管理、ファンコミュニケーションの最適化といった課題も指摘されている。こうした中で、IPビジネスの拡大にあたっては著作権管理やファンコミュニティにおけるガバナンス体制の整備も求められている。

この分野ではカバー(ホロライブ)、ANYCOLOR(にじさんじ)、Balusなどが主要な競合となっている。いずれも大規模なライブイベントやグッズ展開、デジタルコンテンツの多角的な収益化に注力しており、差別化のポイントとしては、ファンと直接接点を持つ体験価値の創出が挙げられる。

今回の調達資金は、運営体制強化、コンテンツやライブイベント制作、所属グループの成長支援、新規IP開発、他社IPとの連携やM&A推進に充てられる。

IP分野における事業拡大の過程では、収益多様化や安定した運営体制の構築、ファンとの継続的な関係構築がカギとなる。競合他社との違いをどのように打ち出し、IP価値を中長期で高めていくかが今後の焦点になる。Blackboxでは、今後も資金調達による組織体制の強化とコンテンツ投資を両立しながら、新たなIP創出と既存グループの価値向上に取り組む方針としている。

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