テクノロジーの力で障害児者を支援、人生の可能性を広げるリハビリの進化

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KEPPLE編集部

デジタルアートとセンサーを活用したリハビリツール「Digital Interactive Rehabilitation System(デジリハ)」を開発・提供する株式会社デジリハがプレシリーズAラウンドにて、第三者割当増資による1億円の資金調達を実施したことを明らかにした。

今回のラウンドでの引受先は、フューチャーベンチャーキャピタル、鎌倉投信、パラマウントベットの3社。

今回の調達資金は、データベースやアプリケーション、センサーの開発強化とエンジニア・セールス・カスタマーサクセスの採用に充て、デジリハ導入施設の拡大を目指す。

ゲーム的体験を楽しみながら主体性を引き出す

デジリハは、デジタルアートと手の動きや視線などを感知できるセンサーを活用した、障害児者や高齢者のためのリハビリツールだ。ゲーミフィケーションによる多彩なプログラムで、楽しみながらリハビリを行うことができ、当事者の主体性を引き出しモチベーションや継続性の向上にも貢献する。

デジリハ リハビリ
使用するセンサーは、手指の骨格や動き、四肢の動き、視線などを検知するものや、壁や床などに映した映像にタッチすることができるレーザーセンサーなど複数の種類から、一人ひとりの状態に最適なものを選択することができる。また、アプリは運動機能、認知機能、言語・社会スキルにおいて発達段階に合わせた課題が用意されており、すでに30本以上をリリース。ユーザーはそれぞれの特性や目的に合わせて、アプリの設定をカスタマイズすることが可能だ。サービスは月額課金制となっており、PCとセンサー、インターネット環境があればどこでもはじめられる。

同社には、国家資格・臨床経験の豊富な作業療法士や理学療法士、医療福祉の専門職や障害児当事者家族といったメンバーが揃っており、さまざまな視点と経験、知識をもとにアプリ・プラットフォームの開発が行われている。また、医療福祉現場で活用しやすく、障害児者のニーズに応えるコンテンツ開発のために、当事者へのヒアリングや研究機関との共同研究も随時行っている。
デジリハ特長
2017年からデジリハの開発をはじめ、現在は特別支援学校、リハビリテーション病院など34施設で導入されている。さらに2022年度には国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)から助成を受け、重度障害を持つユーザー向けのオリジナルセンサーの開発も開始。今後は、導入施設数増加を目指し、海外展開も進めていくという。

今回の資金調達に際して、代表取締役 岡 勇樹氏とゼネラルマネージャーの仲村 佳奈子氏に、今後の展望などについて詳しく話を伺った。

(左)ゼネラルマネージャー 仲村 佳奈子(右)代表取締役 岡 勇樹氏

一人ひとりのニーズを尊重したリハビリプログラムの重要性

―― これまで、障害児者・高齢者のリハビリにはどのような課題がありましたか?

仲村氏:多くの現場で、知識と経験、勘により医療福祉従事者が主導してリハビリ内容を決定してしまい、当事者の主体性が尊重されていないという状況が見受けられます。一人ひとりのニーズや目的に合わせて、プログラムを決めるというアプローチができておらず、一方的な内容になっていることがひとつの大きな課題です。また、その他にもリハビリの定量評価が難しい点や、リハビリ人材・支援職の不足、スタッフの技術や施設の質のバラつきなど、多くの課題を抱えています。

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―― デジリハを始めようと思ったきっかけを教えてください。

岡氏:私は、医療福祉業界のさまざまな課題を解決するためのソリューションを提供するNPO法人の代表理事も務めています。そこでデジタルアートを使ったキッズスペースという空間を企画したことがありました。子どもたちが楽しく動き回っている姿を見て、この仕組みをリハビリや医療に活かせないかと考えたことがきっかけのひとつです。

また、当社にはリハビリを必要としている障害児を家族に持つメンバーがいます。お子さんがまだ小さい頃、嫌がってしまいなかなかリハビリに取り組めなかったという経験から、「リハビリをもっと楽しくしたい」という声をもらいました。そんな親子の気持ちから生まれたツールでもあります。

デジリハ リハビリ

人生をより豊かにするプラットフォームへ

―― 調達資金の使途について教えてください。

仲村氏:データベースの整備と、ユーザーが閲覧できるダッシュボートの開発を進めています。特にお子さんの場合は、定量的なデータが取り辛かったり、データを取るための機器が非常に高額であったりと課題があります。継続的にデータを把握することにより、障害児者の活動の定量化・可視化を強化し、それらを基にしたより精度の高いプログラムの提供に貢献していきます。

また、AI等を活用しコンテンツの質をより増強していきたいと考えているので、エンジニアの採用を進めます。セールス、カスタマーサクセスの人材も強化し、さらなる導入拡大を目指します。今後は、プロダクト・サービスをより大きく広げていくという観点から、医療福祉関係者だけではなく、幅広いバックグラウンドの方に参画していただきたいと考えています。

―― 今後の長期的な展望を教えてください。

岡氏:デジリハ導入施設を増やしていき、当事者が将来やりたい事を実現できる社会とするために全力で活動していきます。また、海外展開も視野に入れています。まずは、世界一の人口を誇るインドから展開を進めていきます。その後、ヨーロッパ、アメリカ、アフリカへと1年ごとに試験導入を進め、徐々に世界に広げていきます。

日本では、障害児がリハビリを受けられるのは、月40分程度、年間8時間程度です。そこで、どのような環境でも主体的にリハビリに取り組むことができる環境を創出することが重要です。そして、特別支援教育や就労支援など子どもが育っていく過程で、個々のデータを引き継ぐことができ、利用者個人がステップアップしていけるようなアプリ・コンテンツを増やしていきたいと考えています。

また、障害児者の方々が支援に頼らずに生きていける力を身に付けられるよう、デジタルやテクノロジーの活用を広げます。リハビリに限らず、個人のポテンシャルを最大限に発揮できるような手段を手に入れられ、人生を通して楽しく生活できるようなプラットフォームを提供していくことを目指します。

株式会社デジリハ

株式会社デジリハは、デジタルアートとセンサーを活用したリハビリツール『デジリハ』を開発・運営している企業。 『デジリハ』は、リハビリを行う人の手足や眼球などの動きをセンサーで読み取り、それに合わせて、オブジェクトの動きやインタラクションを発生させることで、楽しみながらリハビリを行うことができるツール。ユーザーの特性や目的に最適なセンサーやアプリを選択し、プログラムをカスタマイズすることが可能。

代表者名岡勇樹
設立日2021年4月1日
住所東京都世田谷区三軒茶屋1丁目36番6号三茶林ビル203号室
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