(2022年3月21日週) 海外資金調達 Weekly <Unicorn編>
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この記事では、6月27日週に資金調達が報道されたユニコーン(企業評価額10億ドル以上の未公開企業)を1社紹介します。この週のユニコーン企業が少なかったため、番外編として、企業評価額は不明なものの、調達金額が大きかった企業も2社取り上げます。
感染症の検査キットのVisby Medical(企業評価額 10億ドル)はユニコーンです。今回の注目は、中国の保険テック最大手のであるPing An Insurance(平安保険)のベンチャーキャピタル(VC)が投資を主導したことです。Ping An Insuranceは時価総額1,260億ドルと中国企業の中で14番目に大きい会社であり(日本企業と比べると、トヨタに次いで大きい規模)、IT技術で保険の手続きを簡素化することで躍進してきました。Ping An InsuranceのVCは、遠隔医療の普及には、優れた検査キットが必要不可欠と考えており、そのピースを埋めるカギとして同社を高く評価しています。9億人のユーザー(リテール顧客とインターネットユーザーの合計)を抱えるPing An Insuranceが同社のサービスを使うようになれば、同社の成長が加速する可能性があり、Ping Anにとっても保険の手続きの一層の簡素化が可能になるかもしれません。
設立期:
2012年
本社:
アメリカ
企業評価額:
10億ドル
今回調達額:
0.35億ドル(企業評価額の4%)
参加投資家:
Ping An Voyager Partners, Healthcare of Ontario Pension Plan (HOOPP), John Doerr, Cedars Sinai Medical Center, ND Capital, Artiman Ventures, Pitango Venture Capital, Blue Water Life Science Advisors, Nissim Capital
コロナやインフルエンザなどの感染症に罹患しているか自宅で分かる検査キットを販売。
タレントマネジメント・採用ツールのGloatは0.9億ドルの資金調達を行いました。Gloatの大きな特徴は、AIを活用することで、従業員側の経歴、スキル、報酬や企業側の職務要件などの変化を定量化できることです。コロナで採用が難しくなる中で、従業員の人材配置やスキルアップは今まで以上に重視されています。先週の記事でもHR Tech企業を紹介しましたが、Pitchbookのデータによると、2022年1月だけでHR Techのスタートアップが合計14億ドルの資金調達を行ったそうです(※1)。人事業務の改善は、どの企業にも共通する課題であるため、他の業界に比べて、株式相場の減速がスタートアップの資金調達に及ぼすマイナス影響が少ない可能性があります。
設立期:
2015年
本社:
アメリカ
企業評価額:
不明
今回調達額:
0.9億ドル
参加投資家:
Generation Investment Management
タレントマネジメント・採用ツールを運営。Mastercard、Unilever、Schneider Electric、Nestlé、Novartisなど大手顧客を抱える。
日本でも、カオナビ、HR Brainなど数多くの会社がタレントマネジメントシステムを展開しています。日本の企業では、数年おきに部署移動をするジョブローテーションが採用される場合があるため、欧米企業以上に「誰をどの部署に配置するか」というタレントマネジメントが重要になってきそうです。
株式会社カオナビは、クラウド人材管理ツール『カオナビ』の開発・提供を行っている企業。 『カオナビ』は、企業の人材情報をクラウド上で一元管理できる人材マネジメントシステムで、キャリア、実績、特技など多様な社員情報を登録できる機能と、社員の顔写真と名前が並ぶシンプルなインターフェースが特徴。評価や資格、スキルなど特定の項目で絞り込んだ社員情報リストを作成可能で、社員の個性を一目で把握できるため、人事だけでなく現場マネジメント層など幅広い場での活用が期待できる。 新世代の人材マネジメントシステムを提供することで、業務効率化、離職防止などの企業課題の解決を目指している。
株式会社HRBrainは、人事評価・分析クラウドサービス「HRBrain」を運営している。 「HRBrain」は、組織で散らばっていた目標・評価の記録や面談内容を一元化し、個々人の情報を時系列で提示する。導入企業の規模や業態はさまざま。データを活用した最適な人材配置などの分野にも力を入れている。
法人ローンのProgcapは0.7億ドルの資金調達を行いました。同社は、小売業者が仕入れを増やして事業を成長させるための資金を付与しています。1-1.25万ドル程度の信用枠を17-20%の金利で貸出を行っており、担保や入会金を求めないことが特徴になっています。
設立期:
2017年
本社:
インド
企業評価額:
6億ドル
今回調達額:
0.7億ドル(企業評価額の12%)
参加投資家:
Creation Investments, Tiger Global, Sequoia Capital India, Google
70万社以上の中小の小売業者に対して、10億ドルの融資を行った。
日本では、主に銀行や会計ソフトの企業が中小企業向けのオンライン融資を担っていますが、スタートアップではLENDYなどのようなプレイヤーもいます。
LENDY株式会社は、中小企業、個人事業主向けのオンライン融資サービスの運営を行う企業。オンラインで完結するスモールビジネスローン「LENDY(レンディ)」および、オンラインファクタリングサービス「LENDY ファクタリング」を運営している。 「LENDY」は、クラウド型の会計ソフトや、決済サービス、POS レジなど、中小事業者が利用しているオンラインサービスと連携することで、事業者の情報を自動的に収集、機械学習のアルゴリズムを用いた解析を行い、借入条件の判定を行う。ネットショップ運営、カフェ店経営、ヘアサロン経営、フリーランスなど、多様なシーンで利用可能。
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