児童福祉現場向けサービス、自治体への導入本格化──AiCANが2.15億円調達

児童福祉現場向けサービス、自治体への導入本格化──AiCANが2.15億円調達

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KEPPLE編集部

児童福祉現場の業務支援をするAiCANがシリーズAラウンドにて、第三者割当増資による2.15億円の資金調達を実施したことを明らかにした。

今回のラウンドでの引受先は、ANRI、HIRAC FUND、一般社団法人社会変革推進財団、talikiの4社。

同社は、児童相談所など児童福祉現場の業務支援をする「AiCAN」の開発・提供を行い、児童虐待の解決を目指すスタートアップ。AiCANは、タブレット端末と専用アプリを利用して、いつでもどこでも記録の閲覧や入力ができるサービスだ。蓄積された過去のデータを解析し、子どもの虐待対応のスピードと判断の質を向上させることが可能。さらに、ICTとデータ利活用を効果的に業務に取り入れるための職員研修を行うなど、各組織の課題に合わせた伴走型の業務支援を行っている。

他にも、すでに自治体で持っているデータを分析し、相談状況など地域ごとの傾向を可視化するサービスを提供している。児童福祉現場の人材育成のための調査評価・支援に関する研修なども展開している。

AiCANは教育学博士、臨床心理士や公認心理師、司法面接士の資格を持つ髙岡 昂太氏が2020年3月に設立した。高岡氏は、東京大学大学院臨床心理学コース博士課程を修了し、病院や児童相談所での勤務、カナダの大学院留学を経て、産業技術総合研究所に入所し、同研究所所属中にAiCANを立ち上げた。

サービスは2020年7月に提供開始。サービス開始から3年後には、高岡氏が「NEXT100 いま注目すべき、世界を救う希望100人」にも選出されている。今回の調達資金では、サービスの改善・拡大を目指し、そのための採用、開発や営業の体制強化に充当する。

2023年10月には、東京大学未来ビジョン研究センターと共同で、児童虐待対応に関わるAIの倫理基準を検討するための研究契約を締結した。さらに2024年2月には、児童相談所が一時保護の司法審査の際に作成する書類を支援するための特許を取得した。2023年に全国6自治体で実証実験を行い、2024年度には複数の自治体で本導入が予定されている。今後も、さらに導入地域を拡大していく予定だという。

画像はAiCANプレスリリースより

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