(2022年4月4日週) 海外資金調達 Weekly <Seed&Early編>

(2022年4月4日週) 海外資金調達 Weekly <Seed&Early編>

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KEPPLE編集部

4月4日週に資金調達が報道されたシード・シリーズA・シリーズBの企業を調達額順に紹介します。

シード第1位 See Metrics(資金調達額 600万ドル)

シードラウンド(プレシード含む)で、最も大きく資金調達したのはSee Metricsで、サイバーセキュリティのパフォーマンスを管理するプラットフォームを提供し、セキュリティ管理者が部門横断的に複数のツールの運用を確認、追跡、改善することを可能にします。同社はまだ収益を生み出す前段階にあります。


シード第2位 Peeba(資金調達額 420万ドル)

2番手は香港でB2Bのオンライン卸売プラットフォームを展開するPeebaです。Peebaは世界中のブランドと、アジアの小売業者を繋いでいます。Peebaは適格性を評価したうえで小売業者を導入する一方、Sell First Pay Laterモデルを採用しており、在庫の初期費用をなくすことで在庫リスクを軽減しています。Peeba は、昨年度から10倍の成長となる2万5000人の小売ユーザーを抱えており、1500の独自ブランド(前年度比3倍増)がプラットフォームに10万点以上の製品を掲載しています。DFS Singapore、香港のSlowood、台湾のMaraisなどの小売業者もPeebaを利用しており、中小企業から実店舗数百の大手小売まで多様なユーザーを抱えています。


シリーズA第1位 Bluetron(資金調達額 7,860万ドル)

シリーズAで調達額が大きかったのは、中国のBluetron(浙江藍卓工業互聯網信息技術)です。同社は中国初の知的財産権を取得した産業用OS「supOS」を開発しています。中国には380万の工業関連企業があり、産業用OSへのニーズもありますが、これまでは各企業が独立したシステムを構築していたほか、カスタマイズの度合いが高い反面コストや開発期間、導入ハードルに難点がありました。supOSは工場向けに統一したデータ環境を提供しており、従来の産業用ソフトウェアをアプリに変換することで必要に応じてダウンロードすることができます。これまでプラットフォームとアプリを組みあわせ、1,500近くのスマート工場を建設してきました。


シリーズA第2位 Trienta(資金調達額 4,600万ドル)

2番目はコロンビアで中小企業・商店のデジタル化を進めるスタートアップTrientaです。5,000万社以上の零細企業の約90%がテクノロジーやデジタルツールを導入していないラテンアメリカで、同社は売上や債権、支出の記録、在庫管理、オンライン販売、オンライン決済等を可能にする手段を提供します。同社のユーザーはこの1年で20倍に伸びて500万を超えており、毎日数百万件の取引を記録しています。同アプリに記録されている取引は年間で100億米ドル(=コロンビア経済の4%)を超えます。2020年に進出したメキシコでも50万以上のユーザーを抱えているとのことです。今回4,600万ドルの調達となっていますが、コロンビア、ラテンアメリカのシリーズAとして最大規模となります。


シリーズB第1位 SOTEREA(資金調達額 2.04億ドル)

シリーズBで調達額が大きかったのは、自動車のスマート運転システムを開発するSOTEREA(所托瑞安)で、評価額は約100億元とユニコーン企業の仲間入りとなっています。中国では商用車の過積載や疲労運転を原因として事故が頻発し、保険コストの上昇につながっています。SOTEREAは商用車向けの安全運転支援や、データサービスに注力しており、再保険世界最大手の独ミュンヘン再保険や中国人民財産保険(PICC)、太平洋財産保険(CPIC)など保険会社十数社のほか、中国招商銀行(China Merchants Bank)や物流大手の順豊(SFエクスプレス)などと戦略的協力関係を結び、保険金支払い軽減や物流会社のコスト削減や効率化に貢献しています。これまで20000以上のSOTEREAのAEBS(先進緊急ブレーキシステム)が導入され、その総走行距離は10億km超になります。


シリーズB第2位 Jüsto(資金調達額 1.52億ドル)

2番目はメキシコ発のオンライングローサリーJüstoです。昨年のシリーズA以降、ペルーのFreshmart買収・進出、ブラジル進出を発表しており、さらに今年中にチリ・コロンビアへの進出意向も示しています。パンデミック以降ラテンアメリカにおいては他地域同様にオンライングローサリーの利用者は急増しており、スタートアップの参入・競合も激しくなっています。コロンビアではRappiがユニコーン企業となりました。同業態はアマゾンやwalmartなどとの競争にもさらされていますが、Jüstoはそのなかでも2021年に約500%の成長を遂げ、ポジションを確立しています。



ラウンド別の主要案件は下記のとおりです。

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