(2022年4月25日週) 海外資金調達 Weekly <Unicorn編> インドにおける教育熱でEdTech分野が好調

(2022年4月25日週) 海外資金調達 Weekly <Unicorn編> インドにおける教育熱でEdTech分野が好調

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KEPPLE編集部


この記事では、4月25日週に報道された資金調達に伴い、ユニコーン(企業評価額10億ドル以上の企業)となった2社を企業評価額順に紹介します。この週は、ユニコーン企業が少なかったため、番外編として、企業評価額は不明なものの、調達金額が大きかった企業も1社取り上げます。

第1位 ALLEN Career Institute (企業評価額 10億ドル超)

第一位は、エンジニアや医者の難関試験の合格サポートを行うALLEN Career Institute(企業評価額:10億ドル超)でした。同社は、以前の記事で取り上げたEdTech大手BYJU'sが昨年10億ドル近くで買収したAakashと競合しています。また、BYJU'sの競合であるUnacademyが同社の買収を検討していたことが噂されています(※1)。同社は、今回の資金調達をもって、幼稚園生から高校生までの試験対策を提供する予定であり、対象領域を広げたい意図がありそうです。

今回、資金提供を行ったBohdi Treeは、カタールの政府系ファンドの支援を受けて今年2月に発足しており、インドと東南アジア地域への投資を拡大しようとしています。インドでは、2021年にユニコーンが急増しており、ユニコーンの数が最近100社を超え、同市場が世界のユニコーンの10%弱を占めるまでになりました(※2)。インド政府は、今後2〜3年で1000社のユニコーンを目指すと宣言しており、インド市場は引き続き注目を集めそうです。


第2位 Taxfix (企業評価額 10億ドル超)

第二位は、確定申告のモバイルアプリを提供するTaxfix(企業評価額:10億ドル超)でした。確定申告の簡易化ニーズは強いものの、年1回程度しか発生しない作業のため、顧客との接点が少ないことがTaxfixの課題です。そのため、今回の資金調達をもって、顧客との接点を増やすための製品を開発する予定です。Taxfixは海外展開も検討しているものの、確定申告は各国の法律などに基づくローカルビジネスの色合いが強いため、海外展開が本当に実現できるかはやや不透明です。米国では、1,160億ドルの時価総額のIntuitがTurbotaxという類似製品を提供しています。日本で個人事業主を中心に確定申告のクラウドサービスを提供している会社としては、弥生、フリー、マネーフォワードなどがあります。


番外編 Sun King(資金調達額 2.6億ドル)

企業評価額は不明なものの、ソーラーパネルによる電力を提供するSun King(資金調達額:2.6億ドル)が大型の資金調達を行いました。Sun Kingがサービスを提供するサハラ以南のアフリカは、電気を利用できない人が世界人口の75%を占めています。電気を利用できない要因の一つに収入と比べた時の電力料金の高さがあり、電気を使えるようにするためには、いかに1回で支払う電力料金を下げられるかが重要です。そのため、Sun Kingは、電線網よりもコストを抑えられるソーラーパネルの設置や都度払いのシステムを活用しています。今までは、携帯電話やテレビなどの小型家電への電力供給にとどまっていましたが、今回の資金調達で冷蔵庫などの大型家電へ電力供給できる仕組みを整えるそうです。



※1
https://techcrunch.com/2022/05/01/murdoch-shankar-bodhi-allen-career-institute/
※2
https://inc42.com/features/indias-100-unicorn-startups-today-marks-a-new-milestone-for-indias-startup-economy/


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