関連記事
天地人7億円調達の背景──50自治体導入の水道DXで目指すIPOと海外展開


JAXA認定の宇宙ベンチャー株式会社天地人は、新潟ベンチャーキャピタル、鈴与商事を引受先とするシリーズBエクステンションラウンドの第三者割当増資により1億円を調達した。今回の調達により、同社の累計調達額は約19億円となった。(第三者割当増資・融資含む)
天地人は、衛星データとAI解析技術を融合し、地上では把握しにくいリスクや価値を可視化するサービスを展開している。コア事業として、持続可能な水道事業の実現を支援する水道DXソリューション「宇宙水道局」を提供。
その技術基盤を活かして、農業や再生可能エネルギー分野など社会課題を起点とした領域にも展開し、独自のアルゴリズム、分析エンジン、自社衛星開発を組み合わせた一貫したソリューションを提供している。2023年4月のサービス開始以降、2025年9月時点で契約自治体は累計50を突破し、対応分野はインフラ、農業、再生エネルギー、カーボンクレジット管理などへと広がっている。
ほかにも衛星データを活用し気候・環境・土地を分析し顧客のビジネスの効率化・高度化を支援する「天地人コンパス」も展開。
世界約10カ国で事業を展開し、JAXA認定スタートアップとして社会・産業の課題解決へ取り組む。
代表取締役CEOは櫻庭康人氏。専門学校卒業後は美容師として就業し、上京後はインテリア系商社の店舗運営やITスタートアップでの事業開発経験を積む。複数のスタートアップ創業・拡大に従事後、地球環境課題への問題意識とJAXA地球観測衛星専門家である百束泰俊氏との出会いを契機として、天地人を2019年5月に共同創業。創業後は衛星データとAI・クラウド技術を活用する事業でビジネスアイデアコンテスト受賞歴を持ち、JAXA初の出資起業に至る。
今回の調達資金は、主に以下の領域に活用する計画だ。
1.サービス開発・機能拡充
エンジニア採用および開発体制の強化を進めるとともに、衛星データ解析、水資源モニタリング、インフラ最適化アルゴリズムなどの高度化
2.国内・海外展開・営業網の拡大
3.データインフラの整備
複数の衛星データを統合・管理するクラウド基盤を強化し、自社データ基盤の構築を推進
4.ブランド構築・市場の認知拡大
今後も、地球規模の環境・社会課題解決や企業課題への対応に向け、「宇宙ビッグデータを使い人類の文明活動を最適化する」というミッション実現を目指すとしている。
スタートアップの資金調達情報を漏れなくキャッチアップしたい方へ。
1週間分の資金調達情報を毎週お届けします。
※登録することでプライバシーポリシーに同意したものとします
※配信はいつでも停止できます