Free Standard、累計13.7億円調達──ブランド公式リコマースで消費を再定義

Free Standard、累計13.7億円調達──ブランド公式リコマースで消費を再定義

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ブランド公式リユース(二次流通)を支援するスタートアップ、Free Standard株式会社は、シリーズAラウンドでエクイティとデットのハイブリッド調達を行い、累計調達額が13.7億円に達したと発表した。エクイティでは、三菱地所グループ、三井不動産グループそれぞれのCVCが新規投資家として加わっている。デットではみずほ銀行、りそな銀行、東日本銀行の3行が名を連ねた。

日本では1年あたり約80万トンの衣類が新規に供給され、年間の廃棄量は48.5万トンにのぼる(2022時点)。その中で、リユースファッション国内市場は成長し続けており、矢野経済研究所による調査では2026年には1.5兆円規模(2019年の約2倍)に達するとの見方が出ている。一方で、リサイクルショップなどが担っている二次流通にはブランド側は関与しないことが多く、一次流通と二次流通のサプライチェーンは分断されている状況と言える。

Free Standard 代表取締役社長の張本 貴雄氏は、2012年にファッション通販サイト「SHOPLIST」を立ち上げ、年間売上約250億円規模まで育て上げた後、業界への課題感からFree Standardを創業した。「一次流通と二次流通は大きな流通チャネルにも関わらず、サプライチェーンが交わることはなかった。ブランド側にとっては、粗悪な品質の二次流通プロダクトが出回ることによるブランディングリスクもある。この分断した市場をつなぐのがRetailorの役割」と語る。

同社の主力サービス「Retailor(リテーラー)」は、アパレルブランドなどが自社で二次流通を行うためのオペレーティングシステムだ。自社ECにリユース販売を組み込んだり、店舗でリユース商品を下取り・販売したりするための基盤を提供する。具体的には、商品の下取りから検品・情報管理・修復メンテナンス・販売・配送までを、ソフトウェア及びフィジカルオペレーションの両面で支援する。株主でもあるユーゴーやヤマト運輸と連携し、ブランド基準に基づいた商品メンテナンスやリコマース特化の物流のオペレーションを可能としている。

ブランド公式リコマースのオペレーションシステム、Retailorのシステム概要
画像:同社提供

特徴的なのは、新品商品の購入にも活用できるストアクレジット(ポイント)による下取りを選択可能にしている点だ。ブランド側はロイヤリティプログラムとしてRetailorを活用し、サステナブルな取り組みを行いながら、既存顧客の購買継続を促すことができるという。

同社は自社店舗「ReLIKE(リライク)」を商業施設やアウトレットモールに出店し、複数ブランドの公式リユースを担う事業も展開している。

オフィシャルサーキュラーストア「ReLIKE」。ブランドがロイヤリティプログラムの一環として自社で下取りした商品などを販売している(画像:同社提供)
オフィシャルサーキュラーストア「ReLIKE」。ブランドがロイヤリティプログラムの一環として自社で下取りした商品などを販売している(画像:同社提供)

今回のラウンドに新たに加わった三菱地所・三井不動産両グループはアウトレットモールを合計30拠点以上運営し、拠点ベースでの国内のアウトレットモールのシェアは8割に近い。Free Standardは今後、アウトレットモールでのReLIKE出店やオウンドリセールの展開をはじめとした両グループとの事業連携を推進し、「面」での展開を加速させる構えだ。張本氏によると、今実店舗に注力する理由はエンドユーザーとの接点作りにあるという。「国内の(衣類・服飾雑貨の)EC化率はまだ3割以下。まず実店舗で、目で見て触って着用して、ブランド中古品の品質の高さを認識していただいた上で、安心してインターネットで買っていただく流れを作りたい」と話す。

張本氏によると、「商品の下取りと消費者への販路の再現性を高め、サプライチェーンを磨いていくこと」が次の資金調達までの主要課題だという。「2022年のRetailorのリリース以降、リコマースという新たな市場を作る難しさを実感してきたが、今や数々の有名ブランドがリユースの取り組みを始めており、確実にブランドの意識は変わってきている」と手応えを口にする。張本氏は将来像について、「ブランドの1年間の新品生産量が10%下がっているにもかかわらず、売り上げが20%上がっている状態を作りたい」と語る。公式リユースを通じて、より良いものを長く使う消費を当たり前にできるか。Free Standardの次の展開が注目される。

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