フォレストデジタル株式会社

クラウドベースの空間VR技術を開発するフォレストデジタルは、プレシリーズAラウンド「北海道ラウンド」において、J-KISS型新株予約権等により総額1.3億円の資金調達を実施した。拠出者には、DGインキュベーション、北海道電力、北洋銀行、エステー、日本政策金融公庫が名を連ねている。
同社は、オフィスや病院、マンションなどの日常の室内空間を、瞬時にイマーシブ(没入型)空間へと変える「uralaa(うらら)」を提供している。uralaaは、専用のディスプレイやプロジェクターを通じて、室内の壁やスクリーンに自然風景や都市の景観、鉄道の運転席視点などの映像を投影するシステムである。ユーザーは、ボタン操作やスケジュール設定により、好きなタイミングで空間の雰囲気を変えることができる。現在、1000以上のコンテンツが常時配信されており、ゴーグル不要で直感的に没入体験が可能である。高齢者施設や病院のリハビリ環境改善、企業のリフレッシュスペース、教育現場での活用が進められている。
イマーシブ技術の市場は近年成長しており、VRやARを活用した新たな体験の提供が求められている。教育、医療、観光など幅広い分野での活用が進む中、フォレストデジタルのuralaaは、ゴーグル不要で手軽に没入体験を実現できる点が特徴だ。
代表取締役CEOの辻木 勇二氏は、三菱UFJ銀行の投資銀行部門を経て財務省に入省。開発金融専門官として地球環境課題を担当し、国連気候変動交渉や緑の気候基金の立ち上げに携わった。その後、IT企業GREEやヤフーで新規サービス部長を務め、2018年にはメルペイで金融事業の担当役員として事業立ち上げを主導。2019年11月、北海道十勝郡浦幌町にてフォレストデジタルを設立した。
今回の資金調達により、uralaaの機能拡充のための研究開発、および事業拡大を見据えた採用活動を進める。また、北海道電力やエステーとの協業を通じ、観光、福祉、教育などの分野で新たな価値創造を目指す方針だ。
画像はフォレストデジタルプレスリリースより