ユナイテッド・イミュニティ株式会社

がん免疫療法などの研究開発を手がけるユナイテッド・イミュニティ株式会社は、第三者割当増資と新株予約権付融資などにより、合計22億円を調達したと発表。内訳は第三者割当増資18億円、新株予約権付融資(社債を含む)4億円。伊藤忠商事や小野薬品工業のCVC、東京大学エッジキャピタルパートナーズ、みずほキャピタル、三菱UFJキャピタルなどが引受先として参加した。
ユナイテッド・イミュニティは、マクロファージ※1や樹状細胞※2などの免疫細胞に薬剤を選択的に届けるナノ粒子技術「Myeloid Targeting Platform」を基盤に、がんや線維症、自己免疫疾患などを対象とした治療薬を開発するバイオスタートアップだ。体外で細胞を加工するのではなく、患者の体内にある免疫細胞に働きかける「in vivo(生体内)免疫療法」の研究開発を進めている。
開発の中心となる「UI-102」は、免疫を刺激する低分子薬を腫瘍内のマクロファージに届け、がんに対する免疫反応を引き出すことを目指す治療薬候補だ。米食品医薬品局(FDA)によるINDクリアランス※3を取得しており、進行がんを対象とした第1相臨床試験を米国で実施している。
同社は次の開発プログラムとして、「in vivo CAR-マクロファージ療法」にも取り組む。CAR(キメラ抗原受容体)は、がん細胞など特定の標的を認識するよう人工的に設計された受容体を指す。同社は、CARの情報を持つmRNAを体内のマクロファージへ届け、腫瘍内でCARを持つマクロファージを生成する技術を開発している。従来のCAR細胞療法で必要となる免疫細胞の採取や体外での加工工程を省ける可能性があり、難治性固形がんを対象に開発を進めている。
今回の資金調達に加え、同社の「難治性固形がんに対するin vivo CAR-マクロファージ療法の開発」は、AMEDの「創薬ベンチャーエコシステム強化事業」に採択された。公的助成金は最大約28億円で、今回の民間資金22億円と合わせ、最大約50億円規模の事業資金を活用する。
資金は、「UI-102」のグローバル臨床開発や、in vivo CAR-マクロファージ療法の非臨床段階から臨床段階への移行などに充てる。同社は「Myeloid Targeting Platform」を活用し、がん領域に加えて線維症や自己免疫疾患を対象とした治療薬の研究開発も進める方針だ。
※1 マクロファージ:体内に侵入した細菌やウイルスなどの異物や、不要になった細胞を取り込んで処理する免疫細胞の一種。
※2 樹状細胞:細菌やウイルス、がん細胞などの異物の情報をT細胞などに伝え、免疫反応を促す細胞。
※3 INDクリアランス:米国で新薬候補の臨床試験を開始するための申請について、FDAから試験開始が認められた状態。






