株式会社ピックユー

インフルエンサーが実際に着用したアイテムを購入できるC2Cマーケットプレイス「Pickyou」を展開する株式会社ピックユーが、2.2億円の資金調達を実施した。
ピックユーは主にZ世代を中心とした若年層ユーザーを対象に、インフルエンサーの私物やスタイリングを通じてファッションアイテムを販売するプラットフォームを提供している。同社のサービスは、単なる中古品取引ではなく、インフルエンサーに対してファンが持つスタイルへの共感や憧れといった感情をベースにした新しい購入体験を生み出している。
ピックユーには、SNSのフォロワー数が2000人~1万人程度の「ナノインフルエンサー」が主に出品する。出品者登録には事前の審査が必要だ。出品者には専用の出品キットが手配され、集荷・配送は全てピックユーが代行する。商品が売れた際もピックユーが配送手配するため、出品者の配送の手間もなく、出品者と購入者の間のトラブルも起きにくい。

昨年からは、モデルやアーティストなどが出品する「PICKYOU PRO」も展開。第一弾として、芸能事務所のアソビシステムと提携し、所属タレントのユーズドアイテムを出品している。

Pickyouは2022年7月にサービス提供を開始。現在では登録するインフルエンサーは5000名以上、SNSの総フォロワー数は約30万程度だ。インフルエンサーのファッションを紹介するリール動画を活用した集客に強みがあり、総再生回数は1.5億回を超える。「早期に多くの出品者を獲得しながらコミュニティを構築してきたことが大きな強みになっている」という。
今回の資金調達では総額2.2億円を調達。XTech Ventures、HIRAC FUND、ベクトル、広島ベンチャーキャピタル、三宅孝彦氏(TSIホールディングス 元会長)、永見世央氏(ラクスル 代表取締役社長グループCEO)、阪井優氏(ペイトナー 代表取締役社長)などの個人投資家が新たに参加した。資金は開発体制の強化、人材採用、マーケティング施策の推進、オペレーション整備に活用される。
「現時点でのプロダクトはほぼノーコードで構築されており、裏側では多くの手作業を伴っています。これを内製化し、より効率的で柔軟な開発体制に切り替えていきたいと考えています」(冨田氏)
今後は、国内に加え海外ユーザーからの需要も見据えたプラットフォーム拡大を図るとともに、大手企業とのタイアップによる広告事業の強化や、インフルエンサーとの連携を活かした将来的なオリジナルブランドの開発といった新規事業も視野に入れている。
「海外からのアクセスも徐々に増えており、日本のファッションを支持する層の存在を実感しています。今後は出品者の海外展開も視野に、より幅広い流通を目指していきたいです」(冨田氏)