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(2022年3月28日週) 海外資金調達 Weekly <Unicorn編>
3月28日週に報道された資金調達に伴い、ユニコーン(企業評価額10億ドル以上の企業)となった3社を企業評価順に紹介します。
第1位 Pine Labs(企業評価額 50億ドル)
第一位は、デジタル決済のPine Labs(企業評価額:50億ドル以上)でした。競合のBharatPe (推計企業価値30億ドル程度)、Paytm (時価総額52億ドル程度)、Razorpay(推計企業価値75億ドル程度)も企業価値や時価総額が大きく、この市場に対する期待値の高さが表れています。インドのキャッシュレス比率(2016年)は、35%と19%の日本を上回っており(※1)、PaytmがPayPayにQRコード決済の技術を提供するなど、インドのキャッシュレス市場から日本が学べる点は多いです。
第2位 Cross River Bank(企業評価額 30億ドル)
第二位は、FinTech企業向けのITインフラを提供するCross River Bank(企業評価額:30億ドル)でした。これほど多くのFinTech企業が躍進している背景には、同社のようなBaaS(Banking as a Service)の活躍があります。金融機関以外が金融業務を行う場合、銀行ライセンスなどが必要であり、参入が難しかったのですが、BaaSを活用することで銀行ライセンスがなくても金融サービスの提供が可能になりました。例えば、Coinbaseが暗号資産取引所の開設を推進するにあたって、金融機関はCoinbaseとの提携に難色を示しましたが、同社はCoinbaseを技術面で支えました。
第3位 Games24x7(企業評価額 25億ドル)
第三位は、オンラインゲームを提供するGames24x7(企業評価額:25億ドル)でした。昨年度の売上は、173百万ドル、税引き後利益は、50.5百万ドルでした。ゲーム会社は一般的にヒットタイトルの波に左右されるため、高いバリェーションが付きにくいのですが、既に高い利益率を誇っていることが評価されたようです。売上の大半は、カードゲームが生み出しているようです。ゲーム内で実際の金銭を賭けることができるのが大きな特徴です。日本では、ギャンブルが原則禁止されており、オンラインカジノ利用も違法なため、インド市場と同じようなビジネスモデルでの拡大は難しいと思われます。
注)
(※1)
https://www.meti.go.jp/press/2020/06/20200612006/20200612006-4.pdf