クレアトゥラ株式会社

カーボン・クレジットの開発などを行うクレアトゥラ株式会社は、シリーズAラウンドの最終調達において2億円の資金調達(第三者割当増資)を実施し、累計調達額を5.5億円とした。
今回の資金調達では、NVCC9号投資事業有限責任組合(無限責任組合員:日本ベンチャーキャピタル株式会社(略称:NVCC/東京都千代田区))、東急建設-GBイノベーション投資事業有限責任組合(運営者:グローバル・ブレイン株式会社)、水素の森投資事業有限責任組合(運営者:グローバル・ブレイン株式会社)が引受先として参加。
同社は2022年7月の設立以来、企業の脱炭素化を支援するため、カーボン・プロジェクト開発やカーボン・クレジットの提供、企業の温室効果ガス排出削減を支援し、コンサルティングの推進に取り組んできた。これまでに累計でCO₂換算110万トンを超えるカーボン・クレジットや再エネ証書を販売してきた実績がある。
世界的に気候変動対策の重要性が高まる中、カーボン・クレジットの需要は2020年の1億トン程度から2030年には11億トンに拡大すると予想される。また、日本でも2026年度から排出量取引制度の導入が閣議決定されており、質の高いクレジットの需要も今後さらに高まる見込みだ。
こうした背景を踏まえ、同社はフィリピンのパンガシナン地方で、クボタや東京ガスと共同で水田のメタン削減プロジェクトを立ち上げるなど、質の高いクレジットの開発を積極的に進めている。加えて、ベトナム、タイ、バングラデシュでもプロジェクトを展開しており、国内では東京ガスと協力しJクレジットの創出を推進中だ。さらに、IT技術を活用し、クレジットの信頼性向上にも注力している。
代表取締役CEOの服部 倫康氏は、アンダーセンコンサルティング(現アクセンチュア)、リクルートエージェント(現リクルートキャリア)を経て、2010年から気候変動対策の事業に従事。2011年から2019年までスイスのNGO「マイクライメイト」との共同事業であるマイクライメイトジャパンの代表を務め、2020年から2022年まではWaaraの代表を務めた。2022年に独立し、クレアトゥラを設立して代表に就任した。
服部氏は、「クレアトゥラは、テクノロジーとカーボンファイナンスを駆使し、先進的なソリューションを創造する企業として、かけがえのない自然を次世代へ残すために、全力で挑戦し続けます。」と述べている。(一部抜粋)
カーボン・クレジット市場は、企業が温室効果ガスの排出削減目標を達成するための重要な手段として注目されている。今回の資金調達によって、国内外でのカーボン・プロジェクト開発やIT・SaaSの開発を加速し、拡大する質の高いカーボン・クレジットの需要に応えていく考えだ。
今後はフィリピンでのプロジェクトを皮切りに、東南アジアや南アジア諸国への展開を進めるとともに、国内ではJクレジットの創出を積極的に推進していく方針としている。
画像はクレアトゥラ プレスリリースより