共働き世帯を応援する知育玩具サブスク、次世代教育サービスへ

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KEPPLE編集部

知育玩具のサブスクリプションサービス「トイサブ!」を運営する株式会社トラーナがシリーズCラウンドセカンドクローズにて、第三者割当増資と銀行融資による9.3億円の資金調達を実施したことを明らかにした。また、合わせて2名の取締役、2名の社外取締役、1名の監査役による5名の新経営体制を発表した。

今回のラウンドでの引受先・調達先は、マイナビ、TBSイノベーション・パートナーズ、ケネディクス、日本政策金融公庫、商工組合中央金庫、静岡銀行、オリックスなど。

今回の資金調達により、利便性向上とさらなる付加機能の追加を通じて、循環型社会における次世代教育サービスの提供を目指す。

子どもの発達状況に最適な玩具をセレクト

トイサブ!は、未就学児向けに知育玩具を選定して届ける定額制の知育サービスだ。保護者が入力したアンケート内容をもとに、子ども一人ひとりの発達状況や興味に合わせた知育玩具を同社のおもちゃプランナーが選定して発送し、2か月に1回交換する。1800SKUを超える10万点以上の在庫の中から、1回につき5~6点、1万5000円相当の玩具を選定し届ける。現在のユーザー数は約1万8000人(2023年1月時点)。

※SKU :Stock Keeping Unit。受発注や在庫管理の最小識別単位。

知育玩具のサブスクリプションToysub!
玩具は社内でリペアおよびメンテナンスを行っており、これまで循環したおもちゃ点数は50万点以上。毎月のおもちゃリペア・清掃点数は4万点以上に及ぶ。玩具の選定、調達、データ分析はもちろん、受注・発送からメンテナンス、在庫の管理まで全て自社内にビジネススキームを構築しており、ワンストップでオペレーションを行う。またユーザーから玩具の評価データを取っており、100万件以上に及ぶデータが蓄積されている。そのデータをもとに、最適な玩具の選定やユーザー起点での商品開発を行い、プライベートブランドの展開も行っている。

今回の資金調達に際して、代表取締役 志田 典道氏(写真中央)に、今後の展望などについて詳しく話を伺った。

子育て世帯の環境の変化に柔軟に対応

―― これまで、家庭での玩具選びにはどのような課題がありましたか?

子どもが生まれた途端、保護者は急に子どもに関連するブランドと触れ合うことになります。ただ、知育玩具のブランドは、馴染みのないブランドばかりで、どれを選べばいいかよくわからない方も多い。また近年、首都圏、愛知、大阪、兵庫、福岡などでは地価が上がり、子育て層の住居スペースは狭くなり、子ども用品の収納スペースも無限にあるような状況とは言えません。

また、共働き世帯の増加による家族時間の減少に反比例するように、子育て関連サービスへの出費は増えています。

そこで当社のサービスは、常に成長に合わせた世界の知育玩具を選定して届けることで、保護者が玩具の利用を通して自分の子どもが今できることについてわかるようになります。さらに、おもちゃの年間廃棄量は約6万トンとも想定される中、親御さんは捨てる罪悪感を持つことなく、子ども自身のエコ意識にもつながります。

スタートアップスカウト

―― トイサブ!を始めようと思ったきっかけを教えてください。

子どものおもちゃを買いに出かけた時に、このサービスを思いつきました。私たちが子どもの頃は地元の商店街のおもちゃ屋さんで玩具を買っていましたよね。それから数十年経ち、玩具は家電量販店などで取り扱われる物になりましたが、売り場に出向いて買うという購買行動は今も変わっていません。

また、売り場で知育玩具のパッケージを見た際に、「広くはない我が家に、これ以上物を増やせない」と思ってしまいました。そんな時に、定額制のオンデマンド動画サービスのように、必要な時に必要なものが提供される、いちいち買いに行かなくていいサービスがあれば、と思ったのがきっかけです。

知育玩具

玩具を通じてさらなる成長発達を支援

―― 資金調達の背景や使途について教えてください。

トイサブ!を次のステージに進めるために、今回の資金調達を実施しました。今年度中を目標に、トイサブ!のカテゴリー拡大版として、子どもの成長発達をさらに支援する機能を持った次世代教育サービスを準備しています。その開発とマーケティングに充てる予定です。

現在、子ども向けのおもちゃのサブスクとしてご利用いただいていますが、ユーザーの中には、トイサブ!を子どもの教育発達に貢献するもの、玩具を通じた教育の一環と捉える方も出てきました。そこで、当社の事業を玩具から徐々に教育寄りのサービスに移行すべく、カテゴリーの拡大を考えています。

―― 今後の長期的な展望を教えてください。

方向性としては、事業の多角化か、人口ボーナスがある国への進出か、の2つです。3〜5年の間に、どちらか、あるいは両方に取り組みたいと考えています。

知育玩具の領域から、教育分野に移行すると、子どもの対象年齢が上がります。教育と言っても、いわゆる「読み・書き・そろばん」ではなく、当社は体験型の学習などを視野に入れています。また、既存ユーザーの生活に合わせて、ベビーベッド、ベビーファニチャーから常用品まで、物品のサブスクリプションサービスを進める可能性もあります。

そして、トイサブ!の事業モデルは、他国でも展開の余地があります。人口ボーナス期にある中国やインドなどへ、当社のシステムをそのまま輸出することも想定しています。

ステークホルダーのみなさまから求められているスピード感で事業を成長・拡大させるべく、当社はまさに今、一皮向けようとしているところです。今後の展開に注目いただけたら嬉しいです。

※人口ボーナス:15~64歳の「生産年齢人口」がそれ以外の人口(従属人口)の2倍以上に達する状態。

株式会社トラーナ

株式会社トラーナは、未就学児向け知育玩具のサブスクリプションサービス『トイサブ!』を運営する企業。 『トイサブ!』は、保護者が入力したアンケート内容をもとに、子ども一人ひとりの発達状況や興味に合わせた知育玩具を同社のおもちゃプランナーが選定し発送するサービス。 玩具評価データから独自のデータベースを構築しており、成長速度が早い乳幼児期の子どもに、成長に合わせた最適なおもちゃを送ることで健やかな成長をサポートする。

代表者名志田典道
設立日2015年3月6日
住所東京都中野区丸山1丁目12番8号
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