不動産管理をDXするWealthPark、あらゆる資産への投資機会提供を目指す

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KEPPLE編集部


不動産管理会社向けDXサービスを提供するWealthPark株式会社がシリーズC-2ラウンドにて、第三者割当増資による13.6億円の資金調達を実施したことを明らかにした。

今回のラウンドでの引受先は、中央日本土地建物、旭化成ホームズ、東急不動産ホールディングス、J.フロント リテイリング、そのほか複数の不動産管理会社等。

今回の資金調達により、事業会社との協業による新規サービス開発や人材採用を強化する。

オルタナティブ資産への投資を支える

同社は不動産やアート、未上場株式などのオルタナティブ資産の中でも、現在は不動産領域に着目して不動産オーナー・管理会社向けアプリ「WealthPark ビジネス」や海外投資家による日本への不動産投資を支援する「WealthParkアセットマネジメント」を提供する。

WealthPark ビジネスは、不動産管理会社と不動産オーナーをつなぐ業務支援DXサービスだ。収支報告や売買提案など、保有物件に関するやり取りを簡単かつスピーディーに行うことができる。

サービスイメージ
管理会社は、オーナーへの報告や承諾をすべてシステム上で行うことができ、また、オーナー側も管理会社からの確認事項をワンクリックで確認することができる。資産情報の確認や確定申告等に利用するデータも簡単にダウンロード可能だ。2023年11月時点で、WealthParkビジネスの導入社数は160社を超える。

2023年7月には、UPDATAが運営する不動産管理会社向けオーナーアプリ「OwnerBox」事業の譲受を発表。事業譲受により、WealthParkとOwnerBoxを合わせたオーナーアプリの利用者は8万人を超えた。(2023年11月時点)

WealthParkアセットマネジメントは、海外投資家による日本の不動産への投資サポートや、投資後の資産管理を行うサービスだ。アプリを通じて、保有資産のポートフォリオや物件の管理状況を確認できる。海外投資家向けに多言語対応しており、資産の管理に必要なステップを一気通貫で支援している。

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同社は他にも、 不動産会社向けのコンサルティング事業や、不動産の小口化商品の取り扱いを支援するフィンテック事業も展開する。今後は不動産に限定せず、さまざまなオルタナティブ資産に関する事業展開を計画している。

今回の資金調達に際して、代表取締役副社長COO 手塚 健介氏に、今後の展望などについて詳しく話を伺った。

中華圏から魅力的に映る日本の不動産

―― オルタナティブ資産を取り巻く現状について教えて下さい。

手塚氏:オルタナティブ資産は、株式や債権などの伝統的な金融資産以外の資産を指し、具体的には不動産やアート、ワインや未上場株式などが含まれます。

オルタナティブ資産は高額で、個人が得られる情報は限定的なことが多く、これまでオルタナティブ資産に投資をするのは、一部の富裕層や機関投資家に限られていました。一方で、現在では個人投資家でも簡単に株式を購入できるようになったように、同じことが今後オルタナティブ資産においても起きるはずです。

個人保有の資産総額に占める不動産の割合
オルタナティブ資産の中でも、不動産領域は人々の生活を支えるインフラとして非常に重要です。当社は、オルタナティブ資産への投資機会を個人にも提供していくうえで、重要性が高く、市場規模も大きな不動産領域にまずはフォーカスしています。

また、不動産投資においては、経済的な発展の目覚ましい中華圏を中心に、資産の振り向け先として日本への関心が高まっています。安定した情勢や地理的な近さ、訪日観光客の増加などが主な要因です。

―― 御社が解決に取り組む不動産業界の課題について教えてください。

不動産業界では、紙やFAX、電話によるアナログな業務がまだ慣習として根強く残っています。加えて、一部の大手企業がシェアを独占するのではなく、各都道府県でそれぞれの地域を拠点とした多くの不動産業者が存在する業界構造となっています。

地方では、都市部以上に高齢化の煽りを受けて若者も流出してしまうため、労働者が不足しています。こうした状況下では、一人当たりの業務の生産性を向上させることが非常に重要です。

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当社はオーナーへの報告をアプリ上で実現し、チャットでコミュニケーションを図るなど、オーナーがモバイルで簡単に情報把握できるような手段を提供することで、不動産会社とオーナー双方の業務効率化を支援しています。

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オーナーの使いやすさを追求した設計

――不動産領域のサービスとして、どのような特徴があるのでしょうか?

ほとんどの不動産管理会社では、不動産会社向けの基幹システムがすでに導入されています。物件に関する情報を一元的に管理するシステムとして利用され、不動産会社にとって重要なシステムです。また、基幹システムに付帯するオプションとして、オーナー向けの電子報告ツールなどを提供していることもあります。

WealthPark Businessイメージ
一方で、不動産オーナーの目線では、よりわかりやすく、使いやすいモバイルのインターフェースへのニーズが高まっています。当社は不動産オーナーにとっての使いやすさを追求することに加え、単純な物件管理ではなく、資産管理のソフトウェアとして位置づけて提供している点が大きな特徴です。

―― 事業をどのように拡大してきたのか教えてください。

創業初期から、不動産オーナー向けのアプリ提供は検討していました。一方で、当初はまだ不動産管理への知見も不十分で、今後顧客になる可能性のある国内の管理会社と競合しないよう、外国人オーナーに特化してサポートする事業から開始しています。

外国人オーナー向けに事業を行う中で、国内のオーナーや管理会社から、当社のオーナーアプリを使いたいという話をいただくことが増えてきました。こうしたきっかけから、まずは北海道の企業でご利用いただくところから、WealthParkビジネスを正式に事業として開始しました。

WealthParkビジネスの立ち上げ当初は、まだ多くの企業が紙やFAXを使用しており、DXへの抵抗感を感じることも少なくありませんでした。一方で、新型コロナウイルスの感染拡大も影響し、企業もリモートワークを中心とした考えに変わり始めたことで、事業拡大の追い風になったと感じています。

オルタナティブ資産への投資機会を増やす

―― 資金調達の背景や使途について教えてください。

これまでは機関投資家からの資金調達を行っていましたが、今回は事業会社との連携を目的に資金調達を実施しました。株主となっていただいた中央日本土地建物とは、DX推進を目的とした事業提携をすでに発表しています。データ活用の支援や米国のデベロッパーとの取り組み、協業による新規サービスの開発などを進める予定で、各社とも事業連携に取り組みます。

調達資金は、主に人材採用に充当します。DXコンサルティング需要の高まりに合わせたコンサルタントや、ソフトウェア開発のデザイナー、プロダクトマネージャー、エンジニア人材を採用する予定です。

―― 今後の長期的な展望を教えてください。

海外インバウンド向けのビジネスが非常に好調な中、事業基盤を整え、さらなる成長に向けて取り組みます。加えて、これまでは主に区分マンションを取り扱っていましたが、今後は商業物件などの管理にも対応できるよう範囲を拡大する予定です。オーナーアプリのシェアも拡大し、2025年には約20万人が利用するアプリを目指しています。

不動産会社向けには、労働人口減少の中で、AIなどの技術を活用することでさらなる業務効率化ができるようなサービス提供が目標です。また、ワインやアートなど、個人に不動産以外のオルタナティブ資産への投資機会を提供し、事業会社との提携も通じてよりよい資産形成に寄与していきたいと思います。

WealthPark株式会社

WealthPark株式会社は、不動産管理会社向けに、業務効率化・管理支援ツールを提供する企業。動産管理会社と不動産オーナーをつなぐ業務支援システム『WealthParkビジネス』、インバウンド不動産投資を支援する『WealthParkアセットマネジメント』などを運営する。 『WealthParkビジネス』は、現物不動産を管理しチャットなどで投資家とやりとりできるソフト。投資家は、アプリ上で不動産の収支確認や工事依頼の許諾などができる。 『WealthParkアセットマネジメント』では、不動産プロフェッショナルがIT技術を利用して、資産管理のアドバイスを提供する。

代表者名川田隆太
設立日1967年7月13日
住所東京都渋谷区恵比寿1丁目20番18号
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