結婚式場選びに良質な顧客体験を、リクシィが目指すブライダル業界の構造改革

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KEPPLE編集部


結婚式場探しのオンラインマッチングサービス「トキハナ」を運営する株式会社リクシィがシリーズAラウンドにて、第三者割当増資による1.9億円の資金調達を実施したことを明らかにした。

今回のラウンドでの引受先は、朝日メディアラボベンチャーズ、アスカネット、ユナイテッドの3社。

調達資金は、トキハナのプロダクト強化・全国展開・マーケティング投資に充て、ユーザーファーストな結婚式場の支援と消費者主導の産業への変革を目指す。

式場選びの不安を解消するマッチングサービス

トキハナは「花嫁の不安を“トキハナツ”式場探し」をコンセプトに、新郎新婦と結婚式場をオンラインでマッチングするサービスだ。不透明な見積もりや即決を条件とした割引提示、持ち込み制限など、従来の結婚式場の商習慣を払拭し、さまざまな不安を解消できる結婚式場のみと提携しているため、ユーザーは安心して式場を選べるのが特徴だ。

LINEやZoomで元ウェディングプランナーによるパーソナルサポートも受けられ、スマホひとつで式場選びを完結できる。ユーザーの利用料は無料で、契約成立時に式場から成果報酬が支払われる。
トキハナ
トキハナの提携式場数は420社、ドレスショップ・生花店などの提携ベンダー数は135社。月間GMV5億円、累計GMV60億円を達成し、LINE登録者数は25,000人にのぼる。(2023年7月時点)

さらに同社は、ブライダル企業向けにコンサルティングサービスや人材紹介を提供する結婚式場サポート事業、業績向上をサポートをするtoC向けの営業DX事業も展開している。トキハナで培った独自のLINE運用ノウハウにより営業の業務をデジタル化し、マーケティングに活用することで、1人あたりの対応顧客数を増やし業務を効率化することを支援している。

また、2023年6月には結婚を控えるカップル向けに、結婚に必要な手続きを簡単に理解できるようにLINEでのやりとりでサポートしてくれる「トキハナOne」をリリースした。

今回の資金調達に際して、代表取締役社長 安藤 正樹氏に、今後の展望などについて詳しく話を伺った。

旧態依然としたビジネス構造に求められる変革

―― これまでの結婚式場選びにはどのような課題がありましたか?

安藤氏:従来の結婚式場選びには、大きく3つの課題があると考えています。

まずは、価格の不透明さです。結婚情報誌に記載された金額と実際にかかる費用との間に大きな差があり、契約後に予想以上の費用負担に直面する場合があります。

次に、結婚式場ごとに、ドレスショップや生花店、クリエイターが指定されており、選択肢が制限されているという不自由さです。自分の好みに合わない場合や予算に収まらなくても妥協せざるを得ません。

そして、情報の把握と比較検討の難しさという非効率性です。SNSなどでいろいろな情報が入手できるようになりましたが、実際の価格や提供されるサービスの内容がわかりにくく、即決条件での割引を提示されることなども多々あります。必要情報を入手し比較検討したうえでの効率よい意志的な決定が困難な状況です。

トキハナではこれらの課題を解決するためにサービスを設計をしています。


―― コロナ禍でビジネスにはどのような影響がありましたか?

コロナ禍の影響で、一時期は単月売上90%減も経験しましたが、逆に非常に多くのチャンスがあると感じました。結婚式場やブライダル情報サービス企業が激減し、挙式をする人数も減少しました。しかし、そのような状況の中で、結婚式場を訪れる前に情報を収集して、候補を絞り込みたいという顧客のニーズが増えていることにも気付きました。

現在では、婚姻件数や婚礼にかける費用も回復傾向ですし、当社の業績も右肩上がりに伸びています。コロナ禍がビジネスの在り方を見つめ直すよい機会となったとポジティブに捉えています。

スタートアップスカウト

―― トキハナを始めようと思ったきっかけを教えてください。

前職では、全国に結婚式場を展開する企業の役員として7年間の経験を積みました。結婚式場では、一般的に広告や営業などの手段で売上を伸ばすことが主流です。しかし、もっと顧客に寄り添った新しいプラットフォームが必要だと感じていました。

少子化の影響もあり、結婚式の市場全体は減少傾向にある中、顧客満足度の高いサービスを提供し、結婚式の魅力を高めなければ、今後のさらなる市場の変化に対応していくのは難しいと考えました。そして、結婚式場と顧客の双方に満足してもらうことを目指し、トキハナを始めました。

良質な顧客体験を提供することで、お客様の支持を得ることができ、それが市場の活性化につながっていくと考えています。

消費者主導のブライダルビジネスを全国へ

―― 資金調達の背景や使途について教えてください。

提携式場を全国規模で拡大するのとともに、多様な顧客のニーズに応えるサービスを拡充することを目指しています。例えば、国際結婚されるお客様には、海外風の結婚式の提案など、よりパーソナライズされたサービスを提供したいと考えています。

結婚を決めてから結婚式までには、検討しなければならないことや手続きが数多くあります。かつては仲人や友人が担っていた役割も、当社がサポートできるようにサービス開発を進めます。そのため、マーケティングとエンジニアの採用も行っています。

―― 今後の長期的な展望を教えてください。

現在は、東京、神奈川、愛知、大阪といった主要都市での取り組みがメインとなっていますが、2年以内には全国展開へと拡大します。

また、トキハナの利用価値をさらに高めたいと考えています。金銭的な理由で結婚式を諦めていた方々にもご利用いただきやすいような中価格帯のサービスの提供や、資金繰りのサポートをできるような仕組みなどを検討しています。サービス拡大により利用者を伸ばし、3-5年以内にはブライダル業界における10%のシェア獲得を目標としています。

そして、結婚式という文化やビジネス構造を消費者主導に変えていき、経済効果も創出していくことを目指します。

株式会社リクシィ

株式会社リクシィは、ブライダル関連のプラットフォームやブライダル企業向けコンサルティングサービス、人材紹介サービスなどを展開している企業。 新郎新婦と結婚式場をオンラインでマッチングするサービス「トキハナ」は、満足度の高い結婚式場だけを厳選したうえで、それぞれのカップルに合った理想の結婚式を会場選びからトータルプランニングする。ブライダル業界の構造を改革しウエディングであふれた世界をつくるべく事業を展開している。

代表者名安藤正樹
設立日2016年5月10日
住所東京都港区新橋1丁目18番21号第一日比谷ビル5階
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